イセエビ“激減” 三重名物ピンチ!「一気にいなくなった」 いないはずの東北で大漁(2023年11月6日)

イセエビ“激減” 三重名物ピンチ!「一気にいなくなった」 いないはずの東北で大漁(2023年11月6日)

イセエビ“激減” 三重名物ピンチ!「一気にいなくなった」 いないはずの東北で大漁(2023年11月6日)

 高級食材のイセエビに異変が起きています。国内で代表的な産地だった三重県志摩市で漁獲量が激減しています。一方、これまでとれなかった東北では大漁となっています。

■イセエビの価格 3年で2倍に上昇

 三重県伊勢市にあるフランス料理店では、地元名産のイセエビを提供しています。

 客:「私の誕生日に母に連れてきてもらった。ここのはすごくおいしくて、大好きです」

 「特別な日に食べたい」イセエビの3年前の仕入れ価格は1キロ4000円でしたが、今は1キロ8000円ほどとおよそ2倍に。電気代やガス代の高騰も重なり、メニューの値上げも考えざるを得ない状況です。

 客:「めったに食べられないからこそ、特別な時に食べられるのに。(価格高騰で食べる)回数が減ってしまうのは、寂しくなります」

 グリル片山 片山朗代表:「5~10%、毎年値上げせざるを得ない状況。気軽にレストランに足を運んで、『この値段でこの料理が食べられる』と地元の方に喜んでもらいたいけど、このまま価格高騰が続くとどうなのかな」

■東北の海でイセエビ増加 なぜ?

 イセエビの値上がりの原因は水揚げ量の減少です。代表的な産地・志摩市でも減少しているといいます。

 和具海老網同盟会 大田浩司会長:「5~6年前に比べたら全然少ない。2~3年で激減。一気にいなくなった」

 志摩市のイセエビの水揚げ量は2019年以降、年々減少し、2022年は64トンで2019年の半分ほどでした。異変が起きているのは、志摩市だけではありません。

 イセエビは、千葉県や三重県などの関東から南の地域で水揚げされています。しかし、近年は、関東より北の地域でイセエビの数が増加しています。

 宮城県石巻市では、これまでほとんど網に掛かることがなかったイセエビが数年前から増え始め、今年は一度の漁で20匹ほどを水揚げすることもあるそうです。

 漁師 小谷清一郎さん:「最初は3~4年ぐらい前。カレイをとる網にイセエビがかかった。20匹近くかかるようになったのは今年。網を上げて、びっくりした」

 宮城県と隣接する福島県では前の年の水揚げ量が7.51トンと震災前の2010年と比べ、4倍近くに急増。宮城県でも今後増える可能性があるといいます。

 なぜ、東北の海でイセエビが増えているのでしょうか。

 東北大学大学院 片山知史教授:「イセエビはあたたかい海の生き物。水温20℃ぐらいが適水温。東北の海で生き残る、生育できる背景として、東北の海の全体の水温が上がっている」

■海水温の上昇 生き物たちを蝕んでいく…

 海水温の上昇は、東北の海でとれる特産品にも大きな影響を及ぼしています。

 宮城県の海で撮影されたのは、ウニが死んだホヤを食べている様子です。「海のパイナップル」と呼ばれ、本来鮮やかな色のホヤが白くなっています。ダイバーズウォッチが示す海水温は、25.4℃です。

 ダイバー 高橋正祥さん:「例年だと水温が高くても24℃ぐらい。(今年は)1~2℃高い。浅い所で水温が高い所のホヤは、結構死んでいる印象がすごくある。初めて、あのようなホヤを見た」

 海水温の上昇は、宮城県の海に元々いた生き物たちをむしばんでいました。

 高橋さんは「人間は海があたたかい方がいいと言うが、魚にとっては(海水温が)1℃上がるだけで、結構大変なこと。まずは(現状を)知って、どうアクションするかがすごく大事」と指摘しました。

(「グッド!モーニング」2023年11月6日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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