「常識から乖離」「事実を矮小化」厳しい指摘並ぶ…日本大学“薬物事件”報告書(2023年10月31日)
アメリカンフットボール部の部員による薬物事件をめぐり、日本大学の対応を検証していた、第三者委員会の報告書が公表されました。そのなかで、数々の対応が不適切だと指摘されました。
林真理子理事長(8月2日):「“違法な薬物が見つかった”ということは一切ございません。違法な薬物が寮にあったということは、まだ確認されておりません」
この発言について、第三者委員会は「明白な虚偽にならない範囲で、事実をできる限り矮小化した回答」と指摘しました。
第三者委員会 綿引万里子委員長:「大麻である可能性が非常に高い、植物片が保管された缶が発見され、警察に差し押さえられている。ただ、まだその鑑定結果を聞いていないというだけ。正しく事実を伝えようという姿勢に欠けていた」
林理事長らは、8月8日の会見に臨むにあたり、前日の臨時理事会では、危機対応の専門アドバイザーからの助言も無視するなどして、こう発言したといいます。
林理事長(8月7日):「悪いことは何一つしていないし、嘘もついていないから、堂々と臨もうと思う」
実際の会見では…。
林理事長(8月8日):「記者会見をするということは、皆様にお伝えしていたと思いますので、隠蔽(いんぺい)という言葉をお使いになるのは、非常に遺憾でございます」
また、学生から押収した大麻の入った缶を、12日間も大学で保管したことについて、澤田康広副学長は…。
澤田副学長(8月8日):「学生にきちんと反省をさせて、自首をさせたいと考えていましたが、その日には、まだ自首できる状況ではないという判断に至りました。そのため、すぐに警察にブツを引き渡すということはいたしませんで、大学本部に持ち帰り、大学本部において、私の責任のもとで保管をいたしました」
これに対しては「世の中の常識からは、乖離(かいり)した自説を述べ続け、その正当性を肯定する発言」と、厳しい言葉が並べられています。
さらに、複数の部員が大麻の使用に関与していた可能性を知っていたにもかかわらず、会見では…。
澤田副学長(8月8日):「(Q.逮捕された人以外に薬物の事案は)そういうことは把握しておりません」
林理事長(8月8日):「一人の学生が、こういう不祥事を出している」
報告書では「事実を矮小(わいしょう)化し、あるいはないものとし、事態の深刻さに目を背けるものである」と批判しています。日大の今後の体制については、こんな言葉を使いました。
第三者委員会 綿引委員長:「“鯛は頭から腐る”という話もありますけれど、頭だけ代えればいいというものではない。自分たちで、ちゃんと立ち直ろうと思わなければ、我々が小手先でこうしなさいああしなさいと言われて、その振り付けどおりに動いたからといって、この巨大な組織がきちっと改善されるとは全く思っておりません」
林理事長は、31日にコメントを発表しました。
林理事長のコメント:「大学執行部の判断ミスなどで大学の混乱が大きくなり、本学の学生・生徒・保護者・卒業生につらい思いをさせてしまったことを、最初におわび申し上げます。教育機関として再起できるよう、誠心誠意努力してまいります」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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