“戦争の第2段階”イスラエル軍移動か ガザ境界線から…専門家「実質的な地上侵攻」【もっと知りたい!】(2023年10月30日)
イスラエル軍が、ガザ地区への地上攻撃を拡大しています。ネタニヤフ首相は、本格的な地上侵攻を開始したかは明言していません。しかし、衛星画像はこれまで映っていた軍用車両がなくなるなどの地上部隊の異変を捉えていました。
■本格的な地上侵攻開始の明言は「なし」
イスラエル軍が27日の夜に公開した、地中海からガザ地区を攻撃する様子です。その後、上陸して発砲している様子も確認できます。
イスラエル軍は27日、これまでで最大規模の空爆を行ったと発表。およそ100機の戦闘機でハマスの地下トンネルなど、およそ150カ所を攻撃し、ハマスの司令官を殺害したと主張しています。
イスラエルは「ガザの病院や学校、モスク、家庭の下にはハマスによる恐ろしい裏社会がある」として、地下トンネルの解体が必要だと、攻撃の正当性を主張しています。
イスラエル ネタニヤフ首相:「これは戦争の第2段階であり、その目標は明確だ」
本格的な地上侵攻を開始したかどうかは、明言しませんでした。
日本時間30日午前5時半時点で、イスラエル側は1400人以上、ガザ地区は8005人が犠牲になったと発表しています。
■専門家「侵攻開始したシグナルじゃないか」
イスラエルとガザ地区の境界付近の衛星画像を分析した専門家は、週末に起きたイスラエル軍の動きに注目しました。
東京大学大学院 渡邉英徳教授:「待機させていた車両をいよいよガザ地区の内部に向けて、侵攻を開始したっていうシグナルじゃないかと思う」
300両を超える軍用車両が写された衛星画像。撮影されたのは今月15日、イスラエルとガザ地区の境界から北東におよそ5キロ離れた広場です。
解像度は下がっていますが、25日に撮影された画像にも、前回と同じ場所に黒い点が見られ、軍用車両が並んでいるのがうかがえます。
ところが、ネタニヤフ首相が会見した28日の画像には、その黒い点が確認できなくなりました。
渡邉教授:「いなくなった車両が境界線を越えて、ガザ地区の内部に入ってくる時に、車両の跡が地面に刻まれますね。それではないかと思われます。直線距離で2キロ程度の所まで、すでに車両が入ってきている。破壊されているのが分かる、地面が。こんなふうに踏み荒らされて。ある程度の車両はガザ地区に入り、攻撃を開始していることが分かる」
イスラエル軍の地上作戦について、専門家は次のように話します。
現代イスラム研究センター 宮田律理事長:「イスラエルは地上作戦と言っているけども、実質的にはもう地上侵攻が始まっていると思う。地上から海から空からと、3方向から攻撃する」
ハマスを支援しているイランの大統領は、次のように投稿しました。
イラン ライシ大統領(29日のSNS):「越えてはならない一線を越えた。これは、誰もが行動を取らざるを得なくなるかもしれない」
■ネタニヤフ首相 人質解放に「あらゆる手段を尽くす」
こうしたなか、イスラエルのテルアビブでは、ハマスに人質が捕らえられている家族や支援者は、地上作戦拡大で人質に危害が加えられることを懸念しています。
友人が人質になった男性:「政府は『人質は気にしていない。まずハマスを壊滅させ、救出は後回しだ』と言うだろう」
人質の家族らと面会したネタニヤフ首相は、こう話しました。
ネタニヤフ首相:「私たちは人質たちを自宅に帰らせるために、あらゆる手段を尽くします」
一方、ハマスの軍事部門の報道官は、イスラエルで投獄されているパレスチナ人全員の解放と引き換えに、人質を解放する用意があると発表しました。
イスラエル軍によりますと、ハマスに捕らえられている人質は233人となっています。
(「グッド!モーニング」2023年10月30日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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