野菜高騰…トマト1個321円“史上最高値” 猛暑で発育不足 ネギは「畑から自然に…」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年10月25日)

野菜高騰…トマト1個321円“史上最高値” 猛暑で発育不足 ネギは「畑から自然に…」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年10月25日)

野菜高騰…トマト1個321円“史上最高値” 猛暑で発育不足 ネギは「畑から自然に…」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年10月25日)

 猛暑で野菜が不作となった影響で、トマトや鍋物に使われるハクサイやネギといった野菜が高騰しています。

■トマト高値の理由…生産現場に

 アキダイ 秋葉弘道社長:「こちらトマトですね。歴史的に一番高い状況が、ずっと続いてきたんですね」

 衝撃的なトマトの値札。税込みで1個321円、平年と比べて3倍以上の高さだという。1パック3個入りの商品は、税込み734円と目を疑うような価格が並ぶ。

 スーパーの利用者は、次のように話す。

 客:「高すぎて買えない。弁当の中身も貧相になってくるかなと心配しています」「大変高いので、本当にびっくりです。トマトないと物足りないですね」

 歴史的なトマトの価格高騰に、店も頭を悩ませている。

 秋葉社長:「厳しいですよ、仕入れれば赤字ですから全部。赤字で売っているのに、普段より(販売価格は)2倍以上になっている」

 なぜ、ここまで高値になっているのか。トマトの生産現場に、その理由があった。

 伊藤農園.F 伊藤綾馬さん:「花が咲いて、そこからトマトになるんですけど、それが高温の影響で花の状態や木の状態がよくなくて、トマトになれなかった」

 今が収穫時期であるにもかかわらず、緑色のものや、傷んでしぼんでいるトマトが目立つ。

 不作の原因は、この夏の猛暑。高温でダメージを受け、花が咲かず発育不良に。収穫できたものも、実が裂けて売り物にならないという。

 伊藤さん:「きょう収穫していて、おそらく3割は劣化してしまっている。安定して収穫していけるように、農家も頑張っていくので、もう少し我慢して頂ければ」

■ハクサイ農家「こんなに悪いのは初めて」

 これからのシーズンに欠かせない鍋野菜も、記録的猛暑の影響を受けていた。

 幕内農産 佐瀬正さん:「(Q.畑がだいぶ“まだら”ですね?)ダメになっちゃった。苗がやっぱり弱っちゃって」

 福島県、会津若松市のハクサイ畑。例年であれば収穫を控え、ハクサイが畑一面に広がっている時期だが…。

 佐瀬さん:「暑さは36、7、8℃、一カ月ぐらい雨も降らないし、ひどかった」

 この夏の強い日差しによる日焼けや、水不足による乾燥などで、9割以上の苗が枯れてしまったという。残ったものも、通常より小ぶりなものが目立つ。

 佐瀬さん:「小さいのでも、それなりにハクサイになるものはあるんですけど。やっぱり市場では売れないし」

 畑では急きょ、ハクサイが枯れてしまったところへ、ニンジンやホウレンソウを植えて、少しでも全体の収穫量が減らないように対応した。

 佐瀬さん:「ハクサイが、こんなに悪いのは初めて。もうがっかりしました。今ある野菜で、なんとか頑張ってやっていきます」

■暑さで腐り…「畑から自然に消える」

 鍋料理の定番野菜・ネギにも大ダメージ。全国有数のネギの産地、埼玉県深谷市の畑では…。

 鏡農園代表 鏡翔平代表:「(Q.ネギが生えていない場所がある?)抜いたわけじゃなくて、自然にネギが消えていっちゃう」

 暑さの影響で腐ってしまったネギが、溶けて消えてしまったという。

 鏡さん:「根っこが腐っちゃって。そこからネギ自体が下からどんどん腐っていくような感じ。例年だと、ネギが山積みになったトラックがここに入って作業するという感じですね」

 今月初め時点では、出荷量はゼロ。中旬以降、暑さが落ち着き、徐々に出荷が始まったが例年と比べ、まだ半分ほどの出荷量だという。

■ネギの購入…あきらめる客も

 猛暑の影響で出荷が減り、さらに、ここへ来て冷え込みが進んだことで、鍋野菜の需要が急速に高まり、鍋物野菜の卸売り価格は、ハクサイが平年の1.9倍、ネギは1.6倍に高騰している。

 都内のスーパーでは、ネギの購入をあきらめる客もいた。

 客:「長ネギが1本100円。とてもじゃないけど、手が出ないのであきらめました」「(Q.これから寒くなってくると)鍋のシーズン。そうなんです、大変だ」

 さらに、このスーパーでは、鍋物に欠かせないキノコ類も、先月より2割ほど価格が上がっているという。工場栽培がほとんどを占めるキノコ類がなぜ…?

 大手メーカー「ホクト」によると、鍋需要が高まるなかで、高い野菜を避け、キノコを購入する人が増えたことが要因だという。

■ハクサイ特売168円→98円 買い物客殺到

 消費者と向き合うスーパーでは、野菜の価格を少しでも抑えようと、奮闘する様子が見られた。

 辺りは真っ暗な午前4時半。社長自ら市場へ買い付けへ。

 スーパーイズミ 五味衛社長:「毎日、人よりも早くいって、目で見て。『もう10円まけられないかな』とか。そういうのを交渉しながら買ってくる感じですよね」

 野菜の品ぞろえが悪く、価格も高いため、少しでも良い品を仕入れようと、通常より1時間早く市場へ向かうという。市場から戻って来た社長に話を聞いた。

 五味社長:「ハクサイが(今まで)ずいぶん高かったんですよ。きょうは特別に早く行って、おいしい安く買えるものがあります。こういうものはね、やっぱ早く行かないとない」

 24日は早く行った甲斐もあり、高騰しているハクサイを思ったよりも安く仕入れることができた。そのため、日ごろの感謝を込め、4分の1カット98円の特別セールに。これでも、赤字になるギリギリだという。

 久々に安く買えるハクサイを求め、次々と人がやってくる。

 社長:「(Q.売れますよね?)やっぱり、今まで高かったから」「(Q.きのうのこれですか?138円)その前の日には」

 3日前の値札には、4分の1カットで168円という高値がついていた。

 五味社長:「もうちょっと安くなればね、1個で。これから鍋の時期ですから。自分で行って、見て買って。良かったらいっぱい買って、いっぱい売ろうかなという形で頑張るしかない」

■ちゃんこ鍋店にぎわいも…仕入れ値3倍

 野菜高騰の影響を受ける店は、ここにもある。

 客:「この季節になると、鍋だなーって感じになりますよね」

 都内にあるちゃんこ鍋店。冷え込みが進んだことで店が活気づく一方、野菜の価格に頭を悩まる。

 ちゃんこ部屋 吉田孝至社長:「長ネギとかハクサイとかは、高いなっていう感じ。倍くらいになってるかなっていう感じですね」

 少しでも仕入れ価格を抑えるため、以前は業者に頼んでいた野菜の仕入れを社長自ら行っているが、それでも仕入れ値は、以前の3倍近くに膨れあがっているという。

 吉田社長:「(Q.今から鍋のシーズン。(野菜価格が)下がらないと厳しい?)そうですね、厳しいですけど、上がらないことを願う」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年10月25日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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