【CG再現】閉じていた目が突然…涙拭う場面も 猿之助被告、法廷で見せた表情の意味は(2023年10月21日)
稀代の歌舞伎役者は、何を語ったのでしょうか?注目の初公判で、罪を認め、声を詰まらせながら後悔の念を示した市川猿之助被告(47)。私たちは、猿之助被告の仕草や表情に注目。傍聴した記者が特に印象に残ったという、ある瞬間とは…。(10月21日「サタデーステーション」より)
■注目の初公判 傍聴券求めて行列が…
市川猿之助被告
「父も母も亡くしてしまったこと、私が生き残ったこと、関係者や支援してくれる人を傷つけることをして申し訳なかった」(初公判の被告人質問で)
島田直樹記者(20日 東京地裁)
「市川猿之助被告を乗せたとみられる車が今、東京地裁に入っていきます」
両親に向精神薬を服用させ、自殺を手助けしたとして「自殺ほう助の罪」に問われている市川猿之助こと、喜熨斗孝彦被告。20日、東京地裁で初公判が開かれました。
谷萌々菜ディレクター(20日 東京地裁)
「市川猿之助被告の初公判を見ようと多くの方が並んでいます」
一般傍聴席22席に対し、1033人が並び、抽選の倍率は、およそ47倍。猿之助被告の20年来のファンだという女性は…
猿之助被告の20年来のファン
「なんでこんなことになったのか、自分の目で見て耳で聴きたい。後悔しない人生を歩んでほしい、それだけ」
猿之助被告が公の場に姿を見せるのは、7月31日に保釈されて以来、81日ぶりです。
■法廷内の一挙手一投足をCGで再現
サタデーステーションは、法廷内の猿之助被告の一挙手一投足をCGで忠実に再現。心情の変化、その挙動に注目しました。
猿之助被告は入廷すると、裁判官に一礼。白いマスクを着用し、濃紺のスーツに紺のネクタイ。保釈時に長かった髪は、かなり短くなっていました。傍聴席を見ることはなく、うつむき加減で弁護側の席に座りました。席に着くと、目を閉じたまま、手を前に組み精神統一しているような様子を見せました。
裁判官「証言台に立って下さい」
猿之助被告は、返事はせず、ゆっくりと立ち上がると、傍聴席を気にすることなく、証言台の前で一礼。手を前に組み、裁判官をまっすぐ見据えました。
裁判官「名前は?」
猿之助被告「喜熨斗孝彦です」
裁判官「生年月日は?」
猿之助被告「1975年11月26日です」
そして…
裁判官「職業は?」
猿之助被告「歌舞伎俳優です」
まったく躊躇することなく即答しました。
■裁判を傍聴した記者が受けた“印象”
裁判を傍聴した記者は…
テレビ朝日司法担当 岩下耀司記者
「1番最初に猿之助被告を見たときに歌舞伎俳優としての猿之助被告とは少し違った、覇気のないような顔をしていたのはとても印象的でした」
公判中、特に印象に残ったのは猿之助被告の「所作」だったといいます。証言台に立つときは両手でイスを引き、背筋が伸びて、受け答えも「はい」としっかり答えていたという猿之助被告。一方、席についているときは…
テレビ朝日司法担当 岩下耀司記者
「猿之助被告は、ずっと目をつむって、 たまに目を開ける時もあるんですけど、そういう時は、伏し目がちで、私たち記者やメディア、一般の方がいる傍聴席の方には一切、目線は移さなかったですね」
供述調書などの証拠が読み上げられる間は、下を向き、途中から目を閉じて、その後、ほとんど動かなかったそうです。
変化があったのは、事件のきっかけとなった週刊誌について触れられたときです。ほとんど動きを見せなかった猿之助被告の目が開きました。その後の被告人質問では…
弁護人「自殺するしかないと思ったのは、週刊誌がきっかけですか?」
猿之助被告「はい。すべて信じ込まれて事実として定着してしまう。歌舞伎を支えてくれる人も離れていってしまう。悪い方向にはまっていった」
検察側の被告人質問では、検察官から「みんな強くないですよね」と声をかけられると…
テレビ朝日司法担当 岩下耀司記者
「徐々に涙声が強くなってきまして、涙を拭うような仕草をしていました」
ハンカチを両手に持ち涙を拭う場面もあったという猿之助被告。両親への自殺ほう助の罪に問われていますが検察側は論告で…
検察側(論告)
「両親の死は誘発されたもので、被告が与えた影響は重い。被告が他の人に相談したり、他の手段をとっていれば両親は自殺しなかった」
その上で、猿之助被告に懲役3年を求刑。一方の弁護側は、計画性がないなどして執行猶予付きの判決を求めました。判決は11月17日に言い渡される予定です。
市川猿之助被告
「両親をはじめ、関係各位、こんな僕でも応援してくれるファンの皆さま、多くの方に、僕よりもつらい思いや、傷つけてしまったことは消すことはできません。大変申し訳ございません。申し訳なさや感謝、一生背負っていく思いです。何かできること、僕にできることをさせていただき、生きる希望にしたい」(最終意見陳述で)
初公判が終わり、退廷するときの猿之助被告は…
テレビ朝日司法担当 岩下耀司記者
「自分の座っていたイスをキレイに戻して、隣に2人、弁護士が座っているんですけど、その弁護士2人の席も元の位置に戻していて、とてもキレイな所作だなというふうに思いました」
サタデーステーションは初公判の直後、猿之助被告の親族に話を聞くことができました。
市川猿之助被告の親族
「彼は仕事においても親族の間でも義理堅く真面目な人物です。今後、表舞台なのか裏方、どんな形であっても歌舞伎の世界に戻ってきて欲しいと思います」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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