「ピーポー」が「ファーホー」に…“救急車うるさい”苦情で 心地よい新サイレン開発(2023年10月18日)

「ピーポー」が「ファーホー」に…“救急車うるさい”苦情で 心地よい新サイレン開発(2023年10月18日)

「ピーポー」が「ファーホー」に…“救急車うるさい”苦情で 心地よい新サイレン開発(2023年10月18日)

 救急車のサイレンに対し、一部の住民から「うるさい」などの苦情が相次ぎ、各地の消防が新しいサイレン音を導入していることが分かりました。

■新サイレン「ファーホー」 音程低くやさしい音に

 人の命を救うため1分1秒でも早く、現場へと急行する救急車。そのサイレン音にある変化が起きています。

 従来の救急車のサイレン音は「ピーポーピーポー」。一方、新たに開発されたサイレン音が「ファーホーファーホー」です。

 従来の甲高く感じるサイレン音と比べ、音程が低くなり、少しやさしい音に感じられます。英語で「心地よい」を意味するコンフォート・サイレンと名付けられています。

■導入のきっかけは…“一部住民からの苦情”

 今、全国でコンフォート・サイレンを導入する動きが広がっています。

 山口県の下関市消防局では、所有する消防車10台のうち3台にコンフォート・サイレンが備わっています。

 導入のきっかけは、救急車の音が「うるさい」「不快になる」といった、一部の住民からの苦情でした。

 下関市消防局 長岡敏信さん:「赤ちゃんを寝かしつけたりすると救急車の音はうるさく聞こえます。リモートワークをしているとストレスがたまってきたりする。そういったことが重なって救急車が近づいてくると『何だこの救急車は』と思われる方も少なからずいてもおかしくはない」

 住民からの意見を受け、夜間の住宅街などを走行する際は、コンフォート・サイレンに切り替えているということです。

■深夜など除き…“従来のサイレン音に理解と協力を”

 街の人にコンフォート・サイレンを聞いてもらいました。

 街の人:「やさしいというか、これだったらいい。けたたましくない」

 救急車のサイレン音は道路運送車両法で「前方20メートルの位置において90デシベル以上120デシベル以下」になるよう定められています。

 サイレン音を開発したメーカーはこう話します。

 トヨタカスタマイジング&ディベロップメント 大野翼さん:「元々決められたピーポーの音の成分は、そのままに和音の処理をすることで、耳障りの部分を低減するサイレンになっています」

 下関市消防局は深夜の住宅街などを走る場合を除き、従来のサイレン音を鳴らすことに理解と協力を求めています。

 長岡さん:「救急車は1分1秒を争う救命の現場に向かっている、救急車内で救命活動が行われています。救急車のサイレンがうるさく感じる時があっても、ご理解とご協力をお願いしたいと思っています」

(「グッド!モーニング」2023年10月18日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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