イスラエル軍の地上侵攻間近か 戦闘の主戦場?地下トンネル“ガザメトロ”とは(2023年10月16日)

イスラエル軍の地上侵攻間近か 戦闘の主戦場?地下トンネル“ガザメトロ”とは(2023年10月16日)

イスラエル軍の地上侵攻間近か 戦闘の主戦場?地下トンネル“ガザメトロ”とは(2023年10月16日)

 イスラエル軍がガザへの空爆を続けるなか、いつ地上侵攻に踏み切るのか緊張が高まっています。イスラエル軍が侵攻した場合、激しい戦闘が予想されるのが地下に張り巡らされているガザメトロとも呼ばれるトンネル網です。

■ガザ逃れようと検問所“人だかり”

 電力が失われた町に空爆の音だけが響き渡りました。パレスチナ自治区ガザ。エジプトとの国境付近には外国のパスポートを持つ多くの市民が集まっていました。検問所が開くのを待っているのです。少女は親戚と過ごす時間を楽しむため、イギリスからガザ地区を訪れていました。

 イギリスから来た少女:「どこに行っても、どこに逃げても『爆弾』と『死んだ人』ばかりです。いつか私も同じようになるんじゃないかと本当に怖いです」

 アメリカのブリンケン国務長官は15日、検問所が再開する見通しだと発表しました。開けば、支援物資も運び込まれます。16日朝、国連の旗を付けたタンクローリーがガザ地区からエジプトへと移動しました。果たして燃料を積んで戻ってくるのでしょうか。ただ、ガザ地区の住民は外に逃れることはできません。食料を求めるのも、安全な飲み水を求めるのも、燃料を求めるのも、今のガザ地区では困難です。

 ガザ地区の住民:「ガザ地区のパレスチナ人に対する集団懲罰だ。人々は殺され、建物は破壊されている」

 イスラエルは15年以上にわたり、封鎖を続けるガザ地区に対して先週から電力や物資の供給も遮断しています。ガザ地区の人口はおよそ220万人。その多くは北部に集中しています。

 15日、その北部でがれきの山と化したのはイスラエル建国に伴い土地を追われたパレスチナ人が暮らす難民キャンプです。救助活動が行われるそのさなかにも。イスラエルはガザ地区北部の住民に対して南へ避難するよう警告しています。ただ100万人を超す住民の移動は容易ではありません。6人の子を連れ、何とか南部に逃れてきた男性です。

 北部から避難した男性:「南へ行けと言われたが、輸送機関はありません。閉鎖されている道もあり渋滞が起きています。爆破された車もあります」

 イスラエル軍が避難ルートだとした道も空爆されています。空爆の負傷者を搬送するための救急車もまた、いつ空爆に巻き込まれるか分かりません。空爆はガザ地区中部でも。

 イスラエル軍は、およそ60万人が南部に移動したとしています。

■戦闘の中心に? ガザメトロとは

 一方、ガザを実効支配するイスラム組織「ハマス」はイスラエルが再びパレスチナ人を追放しようとしていると主張。北部の住民にとどまるよう呼び掛けています。イスラエル軍によると、そのハマスが拘束している人質は少なくとも155人。解放が進まないことに対するイスラエル政府への批判も高まっています。

 妻と子が人質になった男性:「イスラエルはユダヤ教徒。そしてハマスはイスラム教徒。どちらも平和で愛のある宗教だ。ここ数年で状況が泥沼化して、こんなことになってしまった」

 イスラエル軍はいつ地上部隊を侵攻させてもおかしくありません。ただ、そこで待ち受けるのはハマスが地下に張り巡らせたトンネルです。

 テルアビブ大学 ホエブ教授:「何十キロもの長さがあり、司令部もあれば備蓄庫もあり、ロケットを発射する場所や戦闘員が出撃する場所もあります」

 人質もまた、地下トンネル内に捕らわれている可能性があります。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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