「24時間以内に退避を」国連へ勧告 緊迫増すガザ地区 医療崩壊の危機も(2023年10月13日)

「24時間以内に退避を」国連へ勧告 緊迫増すガザ地区 医療崩壊の危機も(2023年10月13日)

「24時間以内に退避を」国連へ勧告 緊迫増すガザ地区 医療崩壊の危機も(2023年10月13日)

 国連は、イスラエル軍からガザ地区北部の住民は24時間以内に退避するべきとの通知を受けたと発表。地上侵攻が目前に迫っている可能性があります。

■緊迫増すガザ地区 医療崩壊の危機

 イスラエル軍の部隊が南部へと集結しています。地上侵攻を含む総攻撃の時は近付いているのでしょうか。

 電力が途絶えてから2度目の夜を迎えたパレスチナ自治区のガザで光を放つのはイスラエル軍の航空機。そして、空から落とされた爆弾です。人々はがれきの上でなす術もなく立ち尽くしました。破壊されたのはイスラエル建国に伴い、故郷を追われたパレスチナ人が暮らす難民キャンプです。負傷した人々が次々と運び出されるのは職業訓練校の建物。ガザ地区の病院は、あまりに多く運び込まれる負傷者を収容できず、廊下が患者で溢れています。

 医師:「この状況では治療ができません。負傷者は病院の廊下で寝ています。ベッドがないのです。集中治療室は満室で手術室もいっぱいです」

 この6日間のガザ地区での負傷者は6000人以上。それに対し、病床数は2500しかありません。ただ、仮に病室が開いていたとしても満足な治療はできません。

 医師:「発電機のための十分な燃料がありません。長くても3日か4日分です。発電機が止まれば病院ではなく集団墓地になってしまいます」

 イスラエルはガザ地区への電力や物資の供給を遮断しています。人々は電気もなく、食料もなく、逃げる場所もありません。これについてイスラエルのカッツエネルギー相は12日、SNSに…。

 カッツエネルギー相(12日SNSから):「ガザへの人道支援だって?人質にされたイスラエル人が家に戻るまでは電気のスイッチは入れないし、水道の蛇口も開けない。燃料を積んだトラックも入れない。人道は人道主義者のためのものだ」

 ガザ地区にはイスラム組織ハマスが連れ去った150人ともいわれる人質が捕らわれています。

 ハマスの戦闘員がSNSに投稿したとされる映像。襲撃から隠れていた女性を発見したとしています。

 女性の義理の兄:「悪夢です。早く目を覚ましたい。でも目を覚ますには彼女が帰ってくるしかない」

 ロイター通信によりますと、イスラエル軍は13日、ガザ市民に対してガザ地区南部へ移動するよう通告を出しました。数日以内に大規模な軍事作戦を実施するための通告だとしています。国連には12日、24時間以内の南部への避難を通告しました。ただ、ガザ北部には100万人以上の住民がいます。

 テレビ朝日 元カイロ支局長 大平一郎デスク:「イスラエル軍はハマスの排除に地上部隊の侵攻は不可避だと考えている。今回の警告はその準備だと考えられる。ただ、人口密度の高いガザで北部の人たちが逃げる場所はほとんどない。もし地上戦になれば今以上の一般市民の被害が出てしまう。そしてハマスはガザの地下にトンネルを張り巡らせている。ハマスはトンネルを利用してイスラエル軍を迎え撃つが、イスラエル軍はその一つひとつを潰していく作業、非常に長い時間がかかることも考えられる」

■退避する車列も…空爆続くガザ地区

 13日朝、ガザ地区では南部へと移動する国連の車列が確認されました。ただ、ガザの南部でもイスラエル軍の空爆は繰り返されています。イスラエルがこれまで以上に強硬な姿勢に出る訳は何なのでしょうか。

 テレビ朝日 元カイロ支局長 大平一郎デスク:「一つは、一度の攻撃で1000人以上のイスラエル人が亡くなるという過去に類をみない被害だったこと。もう一つは、第2次世界大戦中、ナチスドイツによって600万のユダヤ人が虐殺されたホロコーストを今回の攻撃は思い起こさせるから。やらなければやられるという考えが敵対する国や勢力に囲まれたイスラエルの安全保障の根幹に関わる問題」

 国内世論も背景にあるといいます。

 テレビ朝日 元カイロ支局長 大平一郎デスク:「世論調査では今回の攻撃、86%の人が政府の失態だと答えている。そして、ハマスとの作戦終了後にはネタニヤフ首相は辞めるべきだと考えている人が半数以上。こうした世論が、ネタニヤフ政権がハマスに対して強硬姿勢を崩せない背景になっている」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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