震災11年 “生きた証”いまも・・・「思い出の品」を持ち主へ

震災11年 “生きた証”いまも・・・「思い出の品」を持ち主へ

震災11年 “生きた証”いまも・・・「思い出の品」を持ち主へ

東日本大震災から来月11日で11年となります。岩手県・陸前高田市の「思い出の品」と呼ばれる震災拾得物の返却事業は、とりまく環境の変化を乗り越えて息の長い活動を目指しています。

岩手県陸前高田市にある思い出の品の返却会場です。被災した写真や品物、7万点以上が保管され持ち主の迎えを待っています。その一つひとつから持ち主の息吹を感じます。運営する一般社団法人三陸アーカイブ減災センターは、返却会などを通しこれまでのべ1万人余りに、思い出の品を返してきました。太鼓職人だった義理の父の太鼓を探しに来ていた、地元に暮らす松田弥一さんです。以前ここで、自身が幼いころ戦争で亡くなった父の写真が見つかりました。

松田弥一さん
「昔、家が火災にあって、1枚だけ残った写真だった。(写真が戻ってきて)俺にすれば最高だなと思っている。よくやってくれているなと思う」

仙台市の大坂健さんは震災から8年余りを経て震災で亡くなった母の写真などを見つけました。

大坂健さん
「目の前にあるやらなきゃならないことをとりあえずやっていたが、少し余裕が出てきたので、思い出の品を探そうとなった。母親がちゃんと生きていたんだという証拠があったと知ることができて、すごくうれしかった」

一方で、活動を取り巻く環境は変化しています。陸前高田市は国の交付金がなくなったことを理由に昨年度で委託していた返却事業を終了。センターでは自主事業に切り替え寄付を募りながら、活動を継続しています。 

三陸アーカイブ減災センター 秋山真理代表
「どの方がどういうタイミングでどの写真を必要とするかは、その方もたぶん分からない。(活動に)期限を設けるというのは難しい」

早く手元に戻してあげたいという思いと、心の変化に寄り添うゆっくりとしたスタンス。両方を大切にしながら活動は続けられています。
(27日15:02)

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