スズメバチに刺され…男性死亡 防護服を着て駆除作業中 専門家「針が貫通の可能性」(2023年10月6日)

スズメバチに刺され…男性死亡 防護服を着て駆除作業中 専門家「針が貫通の可能性」(2023年10月6日)

スズメバチに刺され…男性死亡 防護服を着て駆除作業中 専門家「針が貫通の可能性」(2023年10月6日)

 千葉県館山市で、スズメバチの駆除作業中に50代の男性が刺され、死亡しました。男性は防護服を着ていたということですが、なぜ死亡してしまったのでしょうか。

■駆除作業中…「気持ち悪い」意識もうそう

 大きな巣を持ち、凶暴な性格で知られるスズメバチ。時に人をも襲うスズメバチによる被害が、またしても起きました。

 館山市の道路は、ハチが出たため通行止めとなっています。

 事が起こったのは3日午後2時ごろ、館山市からの依頼を受けて、川沿いの土手でスズメバチの巣の駆除をしていた専門業者の作業員2人のうち、50代の男性が耳と背中を刺されたのです。

 駆除に立ち会っていた男性は当時の状況を、次のように証言します。

 駆除に立ち会った住民:「業者の方も来て、防護服を着て、巣を探していた。探しても見つからない、竹やぶの中で。そのうち、ハチに2カ所刺されたのかな。あがってきて気持ち悪いと言い始めて。その後倒れて、すぐに救急車を呼んだ」

 刺された男性は、徐々に意識がもうろうとし、病院に搬送されましたが、死亡が確認されました。

■専門家「針が防護服を貫通の可能性」

 駆除の専門業者の作業員を刺したのは、非常に大きなスズメバチだったといいます。

 駆除に立ち会った住民:「今まで見たこともないような結構大きいハチで、これは危ないなと。たしか3センチ以上あったから、4センチ近くあった。聞いたら、オオスズメバチ。でも、あんなに大きいハチはそんなに見ない」

 防護服を着ていたにもかかわらず、刺されて死亡した作業員。ハチの生態に詳しい専門家は、大きなハチの場合、針が衣類を貫通してしまう可能性が十分あると指摘します。

 兵庫医科大学 皮膚科学 夏秋優教授:「これくらいの大きいハチだと、毒針も結構長いので、1センチくらいは届く。どこか場所的に皮膚と距離が近い、薄いところがたまたまあって、そこを刺されたのではないか」

 スズメバチが最も狂暴化するのは秋。服を着ていても刺される恐れが十分にあることから、この時期、巣がありそうな場所にはとにかく近寄らないことが重要だといいます。

 夏秋教授:「山あいのレジャーも結構多くなるので、実はこの時期非常に危ない。オオスズメバチとクロスズメバチは、土の中に巣を作る。だから、巣が全く見えない。山の中ごそごそ入って、『あ、きのこだ!』と思って、手を伸ばしたら目の前がハチの巣ということもあったりする」

 館山市の現場はいまだ巣の駆除ができておらず、付近の市道は安全確保のため、今も全面的に通行止めのまま。市は別の業者に駆除を打診していて、早急に対応していくと説明しています。

(「グッド!モーニング」2023年10月6放送分より)
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