女児(6)の愛犬を“ひき逃げ” 91歳運転手が被害者に直接謝罪も「事故覚えていない」 免許返納で生活の足は?高齢ドライバー問題を徹底討論【voice23】|TBS NEWS DIG

女児(6)の愛犬を“ひき逃げ” 91歳運転手が被害者に直接謝罪も「事故覚えていない」 免許返納で生活の足は?高齢ドライバー問題を徹底討論【voice23】|TBS NEWS DIG

女児(6)の愛犬を“ひき逃げ” 91歳運転手が被害者に直接謝罪も「事故覚えていない」 免許返納で生活の足は?高齢ドライバー問題を徹底討論【voice23】|TBS NEWS DIG

今年7月、名古屋市で6歳の女の子が連れていた犬が信号無視をした車にひき逃げされ、死ぬ事故がありました。運転していた91歳の男性は家族に謝罪に訪れましたが、事故について「覚えていない」と繰り返しました。

■“ひき逃げ”「覚えていない」 91歳が直接謝罪も

記者
「事故が起きたときの事を覚えている?」

男性(91)
「覚えてません」

今年7月、名古屋市緑区で6歳の女の子が犬を連れて道路を渡ったところ、突然、車が突っ込みました。

現場は信号のある横断歩道で、車が赤信号を無視したとみられています。車は飼い犬だけをはね、そのまま逃げました。犬の朝陽くん、はねられた1時間後に死にました。

逃げた車を探すため、女の子の母親は毎日現場に立ち、情報提供を求めました。

女の子の母親
「何かできないかと思って、看板を持って立つことなら私にもできるから、(事故の)時間帯を狙って現場に立って、皆さんに知ってもらおうと」

警察は防犯カメラの映像などから、運転していたのは名古屋市内に住む91歳の男性と断定。9月22日、道路交通法違反(事故の不申告など)の疑いで書類送検しました。

男性は杖をついていますが、認知症などはなく、適切に免許を取得していました。

実はこの男性、犬の朝陽くんの49日に合わせて、被害に遭った家族に直接謝罪していました。

女の子の祖父
「事故のことも覚えてないんですね?」

男性(91)
「覚えてないです。ぼーっとして運転して、赤信号を突っ切っちゃったみたい」

事故を起こしても、男性は「まだ運転したい」という思いを口に。

男性(91)
「まだディーラーは『運転できる』と言っている。だから一生懸命、次の(車のこと)を…」

女の子の祖父
「いやいや運転できない。ディーラーは車を売りたいからそう言うだけで、無理、無理、無理」

認識の甘さを感じた母親は、男性に問いただします。

女の子の母親
「まったく覚えてないですか?」

男性(91)
「え?」

女の子の母親
「覚えてないですか?」

男性(91)
「覚えてないです」

女の子の母親
「朝陽をひき殺していったけど、たまたまギリギリぶつからなくて、あとほんの少しで人殺しになっていて。どう思われているのか教えてほしい」

男性(91)
「どういうこと?」

女の子の母親
「高齢で運転する危なさを…。90歳を超えても…」

男性(91)
「まだ運転をやるつもりだったけど、もうやれなくなったのでやめます」

後日取材に応じた男性は、免許を返納したと明かしました。

全国で後を絶たない高齢ドライバーの事故。名古屋の運転免許試験場には1日10人ほどが免許の返納に訪れています。

免許を返納した男性(89)
「軽い事故を起こしてしまって、免許を返納せよという知らせかなと思って」

免許を返納した女性(78)
「できれば、まだしばらく乗りたかった。家族が心配と言う声を聞いたので(返納を)決めました。ちょっと寂しい、すごく寂しい」

大切な家族・朝陽くんを失った母親は…

女の子の母親
「おじいさんに何かを求めるのは難しいと思う。高齢で運転されている方も親戚でも知り合いでも、そういう人が周りにいる人たちにもう一度考えてもらいたい」

■高齢者の運転にはリスクも生活には欠かせない“足” 

小川彩佳キャスター:
今回、この91歳の男性の取材を通してどんなことを感じましたか。

CBCテレビ 愛知県警担当 矢野司記者:
男性は杖をついてゆっくりとした足取りで歩いていて、1人で歩いて外出するのは難しいように見えました。私が話しかけても聞き取りづらいようで、私も大きな声でゆっくりと話すことを意識していました。

ただ、一歩間違えれば女の子も巻き込まれていたかもしれないということですが、この91歳の男性は、事故の重大さというものにあまり気づいていないようで、ご家族との会話もあまり噛み合っていませんでした。特に謝罪よりも先に、「私はお金を払うことしかできない。あとは保険会社と話をしてほしい」という言葉は、非常に印象に残っています。

小川キャスター:
この方は1人で暮らしてらっしゃる。

矢野記者:
男性は名古屋で1人で暮らしています。子どもはいるんですが、離れたところにいるため自分で車を運転して生活をしていたようです。

自宅から700メートルの場所には大きなスーパーマーケットもあるんですが、やはり足の不自由な男性がお買い物バッグを持って1人で歩いていくには難しい、遠い距離なんじゃないかなと思います。

藤森祥平キャスター:
こうした状況って、別に特別なケースじゃないですよね。

薄井シンシアさん:
非常に驚いています。来年65歳になるんですけれども、自転車すら乗るのが怖いんですよね。事故起こしちゃうんじゃないかなと思って。やっぱり車って凶器だから、よく運転できるなと思った。アクセルやブレーキは足で踏むじゃないですか。なかなか歩けない状態だと、どうやってアクセルとブレーキを踏むのかなって、思ったんですけれども。

小川キャスター:
慣れで体の衰えを感じ…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230929-6112317)

▼TBS NEWS DIG 公式サイト https://ift.tt/v6OyLDP

▼チャンネル登録をお願いします!
http://www.youtube.com/channel/UC6AG81pAkf6Lbi_1VC5NmPA?sub_confirmation=1

▼情報提供はこちらから「TBSインサイダーズ」
https://ift.tt/HSuAmp6

▼映像提供はこちらから「TBSスクープ投稿」
https://ift.tt/yCNZHsA

TBS NEWSカテゴリの最新記事