“性別変更に手術が必要”は憲法違反か 最高裁で弁論 当事者の訴え「人権侵害」「手術の強要は自分を否定されている気持ちに」|TBS NEWS DIG
トランスジェンダーの人たちが戸籍上の性別を変更するために、いまの法律では性別適合手術を受けないといけません。これが憲法違反かどうか、争われています。
きょう午後、最高裁の大法廷。戸籍上の性別が男性で、女性への性別変更を求めている申立人の訴えを受け、意見を聞く弁論が開かれました。
女性への性別変更求める申立人側
「女性としての社会生活の実情や医療についての個別事情に関係なく、手術をしていないという一点をもって判断されました」
1・2審でこの申立人の性別変更は認められませんでした。理由は、性別適合手術を受けていないからです。
今の法律で戸籍の性別を変えるには、「生殖腺や生殖機能が残っていない」ことが要件の1つで、手術を受けることが事実上、必須になっています。
トランスジェンダー男性 杉山文野さん
「望んでもない者にまで手術を強いる現行法は人権侵害だと感じます」
この要件は、子どもが生まれた場合などの社会的混乱を避けるためのものですが、高額な手術費用や身体への負担が当事者に重くのしかかっています。
岡山県で「サルナシ」という果物を栽培する、臼井崇来人さん(49)。
臼井さんも手術をせずに男性への性別変更を申し立て、最高裁まで争いましたが、4年前に訴えは退けられました。
手術なしで性別変更求めた臼井崇来人さん
「ホルモン治療をして副作用も出たので、手術を強要されるのはやっぱり居心地が悪いと思います。自分が否定されているような感じ」
7年前からパートナーとその長男と3人暮らし。しかし、戸籍上は同性同士であるため、婚姻は認められませんでした。
手術なしで性別変更求めた臼井崇来人さん
「子どものマイナンバーカードが来ても取りに行けないとか、些細な困りごとで突き付けられる。家族じゃないんだみたいな」
臼井さんは、今回の審理を「期待」を込めて見守っています。
手術なしで性別変更求めた臼井崇来人さん
「手術を必要としていない人やできない人たちが一定数いるのが可視化されてきた中で、それ(手術要件)をこのまま続けていくか立ち止まって、何がいいか考えてもいいのではないか」
最高裁は、年内にも判断を示すものとみられます。
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