【報ステ】「司令官が死亡」真偽は…ロシア“生存映像”公開も“動画ほぼ動かず”?(2023年9月26日)

【報ステ】「司令官が死亡」真偽は…ロシア“生存映像”公開も“動画ほぼ動かず”?(2023年9月26日)

【報ステ】「司令官が死亡」真偽は…ロシア“生存映像”公開も“動画ほぼ動かず”?(2023年9月26日)

ウクライナ軍は、クリミアにあるロシア黒海艦隊の司令部へのミサイル攻撃で、司令官を含む34人の幹部クラスが死亡したと発表しました。ウクライナ軍はここ数カ月、クリミア周辺での攻撃計画を綿密に積み重ねてきたとみられます。

作戦名は「カニの罠」。ウクライナ海軍の報道官は、こう成果を誇っていました。

ウクライナ海軍報道官:「頭のないニワトリが走り回っているようなもので、すでに死んでいます」

ロシア側は当の本人、黒海艦隊の司令官ソコロフ氏が、国防省の幹部会合にオンラインで出席する様子を伝えました。「死んでいない」というアピールのように見えますが、その表情はほとんど動かず、話すこともありません。ここまでするのは、死亡が事実なら、ロシア側にとって大きな打撃だからだとも言えます。

普段ならすぐさま「ウクライナ側のフェイクだ」と主張する、ペスコフ報道官も素直にそうは言いません。

ペスコフ報道官:「国防省からは情報は入っていない。これは国防省の専権事項だ。我々が言うべきことはない」

北方艦隊で中東シリアの軍事作戦を指揮したこともある、実戦経験も豊富な実力者ソコロフ氏。去年4月、ミサイル巡洋艦『モスクワ』が沈没。その後、黒海艦隊の司令官に就任し、いわば“海軍の立て直し”を担ってきた人物です。

米CNN軍事アナリスト マーク・ハートリング氏:「複数の領域で同時進行している攻撃作戦のひとつです。弾薬集積所・前線本部・兵士・兵站が集中する拠点を標的に、この数カ月、攻撃を継続してきました。黒海艦隊司令部への攻撃も優れた手法で成功させています」

ウクライナ側が、軍事面で大きな戦果を得たのは、準備を着実に進めてきたからかもしれません。石油貯蔵施設への攻撃も、ウクライナ特殊部隊の一時上陸も、5月ごろからクリミア半島を中心に展開していた南部への攻撃は、防空システム『S400』を中心とするロシアの防空システムや警戒レーダーの情報を集める目的もあったとみられます。

今月13日の攻撃では、S400を2基破壊。それまでの情報収集の結果から、クリミア半島の南側の防空システムの弱さに気付いていたとも考えられます。そして、満を持してのストームシャドーによる攻撃。ストームシャドーも、防空システムが弱いとみられる南側からの侵入が指摘されています。

今回の攻撃は、今後の戦況に影響する可能性もあります。

米NSC カービー戦略広報調整官:「地図を見ると分かりますが、ロシアにとってクリミアは、半島北部と東側のドンバス地方を占領し続けるのに鍵となります。クリミアはいわば“足場”であり、黒海からの攻撃だけでなく、ウクライナ南部のロシア部隊への補給も請け負っています」

◆ロシア軍“統制の甘さ”が被害に

外交・安全保障に詳しい、明海大学の小谷哲男教授に聞きました。

(Q.ウクライナ軍がピンポイントで攻撃を成功させたとなると、事前にロシア側の情報を掴んでいたことになりますが)

小谷教授:「あくまでウクライナ側の情報なので、一歩引いてみる必要はあるが、本当に34人の幹部が殺害されたとすれば“ロシアの情報統制の甘さ”が露呈したロシアの“通信”が傍受された可能性や、ロシア司令部にウクライナのスパイが入り込んでいた可能性もある」

小谷教授:「今回使われたとされる、巡航ミサイル『ストームシャドー』が地上の建物を破壊した。地下壕(ごう)ではなく、地上で幹部会議を行っていた可能性があり、戦時下ではあり得ない失態。ロシアの防空システムの無力化も原因の可能性がある。最近のウクライナ軍によるドローン等の攻撃により、ロシアの防空網に穴が開き始めている」

(Q.今後の戦況が大きく変わってくる可能性があるのでは)

小谷教授:「仮に被害が本当だとすると、ロシアの黒海艦隊司令部が指揮統制を維持できないほどの大打撃を受けた可能性がある。そうなると、しばらくは司令部機能が停止するだろう。ロシア側は、クリミアからの補給路が滞って、南部における作戦が停滞。ウクライナ側は、南部における反転攻勢を加速させる可能性がある」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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