「赤ちゃんに罪も責任もない」“内密出産”実施の院長 国会で法整備訴え(2022年2月25日)

「赤ちゃんに罪も責任もない」“内密出産”実施の院長 国会で法整備訴え(2022年2月25日)

「赤ちゃんに罪も責任もない」“内密出産”実施の院長 国会で法整備訴え(2022年2月25日)

 全国初の「内密出産」を実施した熊本県の病院。25日、院長が国会へ参考人招致されました。国は違法行為などには当たらないなどとする見解を初めて示しました。

 「誰にも知られずに出産したい」。

 去年12月、熊本市の慈恵病院は10代の女性による国内で初めての内密出産に踏み切りました。

 内密出産とは、妊婦が特定の関係者以外に身元を明かさずに出産。

 行政にも母親の情報は提供されませんが、生まれた子どもは後に出自を知ることができる仕組みです。

 この内密出産は適法なのか違法なのか、国の見解が示されておらず、法整備も進んでいませんでした。

 国会に参考人招致された慈恵病院の蓮田健院長は法整備の必要性を訴えています。

 参考人招致された慈恵病院・蓮田健院長:「赤ちゃんには罪も責任もありませんので、赤ちゃんの健康と幸せのために、目をつぶってお許し頂きたいと思っています」

 課題の一つが戸籍です。身元を知っている病院側が母親の名前を空欄のまま代理で出生届を提出することが刑法の公正証書原本不実記載罪に抵触する可能性が指摘されています。

 今回は熊本市長の職権で出生届なしで戸籍を作ることになりましたが、今後、同じようなケースが起きた場合、混乱が予想されます。

 国民民主党・伊藤孝恵議員:「厚労大臣、法務大臣、これ一緒に相談されるべきではありませんか」

 古川法務大臣:「いわゆる内密出産によって出生した子につきましては戸籍法上、医師の届け出によらずとも市区町村長の職権によって戸籍を作成することができます。生まれた赤ん坊がですよ、日本国籍を有すると認められる以上ですね、これは早急に戸籍を作るべきだと当然、当然のことであります。必要とあればガイドラインが適切なものができるように、そこは(厚労省と)一緒に協力をして進めていきたいと考えております」

 内密出産について法務省と厚生労働省は犯罪行為や違法行為には当たらないとの見解を初めて示しました。

 後藤厚生労働大臣:「内密出産につきましては、熊本市のまさに慈恵病院が採用している方法であれば、現行制度下で対応可能であったと今すぐ法整備の検討を行うかどうかということには少し検討がいるのではないかと」

 25日の政府答弁で適法と認められた内密出産。

 今後、法務省と厚生労働省で必要であればガイドラインを作成するとしています。

 参考人招致された慈恵病院・蓮田健院長:「国や政府の方々がもう少し支援しようということで、整えて頂けそうなのでうれしかったです。ホッとしました」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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