京アニ裁判が異例の展開、青葉被告を裁判長が制止、傍聴した記者「反省する素振りもみせていない」【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

京アニ裁判が異例の展開、青葉被告を裁判長が制止、傍聴した記者「反省する素振りもみせていない」【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

京アニ裁判が異例の展開、青葉被告を裁判長が制止、傍聴した記者「反省する素振りもみせていない」【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

おととい開かれた京都アニメーション事件の裁判。被害者参加制度を利用し、遺族らが被告に直接質問しましたが、被告が逆質問し、裁判長に制止されるなど、異例の展開となっています。

■青葉被告「京アニに応募した小説を盗用された」争点は刑事責任能力

加藤シルビアキャスター:
2023年9月から裁判が始まっている「京都アニメーション放火殺人事件」について振り返っていきます。

●事件は2019年7月におきました。
●死者36人、重軽傷者は32人です。

青葉真司被告は、殺人など5つの罪で起訴されています。
9月5日に初公判が行われ、20日には8回目の公判が行われました。
裁判は、予備日を含めて32回予定されているということです。

裁判の焦点になっているのは、刑事責任能力についてです。

▼青葉真司被告は、「京アニに応募した小説を盗用された」と主張しています。
▼検察側は、妄想に支配された犯行ではなく、完全責任能力がある。筋違いの恨みによる復讐だとしています。
▼一方、弁護側は、犯行当時、良いこと悪いことを区別する能力、犯行を思い止まる能力が著しく減退していた。心神喪失で無罪。無罪でないとしても、心神耗弱で刑の減軽というものを主張しています。

では、裁判の中で何が語られたのでしょうか。

まずは、動機についてです。
弁護側は冒頭陳述で、闇の人物(ナンバー2)が京アニと一体となって嫌がらせをしてきたため、その反撃として事件を起こしたとしています。

これについて青葉真司被告からは、「闇の人物(ナンバー2)というのは、ハリウッド・官僚にも人脈がある『闇の世界に生きるフィクサー』である」という説明がありました。
さらに第5回公判で青葉被告は「おそらくナンバー2が京アニに(お金を)落とすという条件で、自分の作品を落とした」と発言しました。

小説の盗用について、青葉被告は「小説がパクられた」と主張しています。
▼青葉真司被告の小説の中には、「このままだと留年だぞ」というシーンがあります。
▼京アニ作品「けいおん!」の映画版の中で、「私留年したよ」というシーンがある。
これをもって青葉被告は、「パクられたのではないかと思いました」と第4回公判の中で発言しています。

さらに青葉真司被告は「大きな事件を起こさないと、京アニが(自分の)作品をパクるのをやめないのではないかと思った」と発言しています。

■遺族の質問に「申し訳ございません。そこまで考えていなかった」

加藤キャスター:
また裁判の中では遺族の方が直接、青葉被告に質問をする場面もありました。

遺族
「事件前に放火殺人をする対象者に家族、特に子どもがいることを知っていましたか?」

このように聞かれると、青葉被告はしばらく無言になり…

青葉真司被告(第8回公判)
「申し訳ございません。そこまで考えていなかった」

この裁判を連日取材・傍聴している記者は…

MBS 京都支局 宮腰友理 記者
「青葉真司被告は、犯行について謝罪もしていないし、反省する素振りもみせていない」

さらに宮腰記者によると、都合の悪い質問には、自信なさそうに小さな声で答える。
主張や反論に対しては、大声でまくしたてるように話すということです。

■“心神喪失”をどう考えるか

日比麻音子キャスター:
事件から4年、ようやく裁判が始まりました。青葉被告は謝罪よりも、自分が犯した罪を理解すらしていないのではないかとも見えるんですけれども、宋さんはどのようにご覧になりますか。

産婦人科医 宋美玄さん:
自分の小説が盗用された、闇の人に支配されてる、というような妄想めいたことがたくさん言われてました。

これだけ大きな事件を犯して弁護側が「心神喪失で無罪である」や「心神耗弱で刑の減軽」などを主張していますが、やはり妄想があったなどといった被害妄想的なところと、犯行当日に殺意を持って犯行に至ったというところが、「普段から妄想があるからこっちも心神耗弱です」みたいな感じにちょっと見えてしまう。

これだけの犯行を犯した人を弁護するというのもすごい難しいし、ちょっと共感しづらい部分もあるんですが、そういったことで少しでも刑の減軽をというのだったら、ちょっと違うのではないか、それは別なのではないか、と感じました。

井上貴博キャスター:
まさに争点がその部分の心神喪失をどう考えるのか。でも裁判を見たり、今までの調べを見ていたりすると、明らかに自己把握はある程度できていた部分もありますし、やり取りもできている。裁判では逆質問もする。

ああいったものを含めて裁判員がどう判断するのかということに尽きるんだと思いますが、被害者のご家族のことを考えると、これはやるせないだろうなというふうに感じてしまいます。

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