東京駅前の再開発ビル…15t鉄骨20m落下 作業員2人死亡 「悔恨の極み」建設会社謝罪【もっと知りたい!】(2023年9月20日)
JR東京駅に近いビルの建設現場で重さ15トンの鉄骨が落下し、作業員2人が死亡しました。再開発が進む東京の新たな玄関口で、何が起きたのか取材しました。
■現場近くにいた人「地震と雷が一緒にきたような」
横倒しになった鉄骨。その下には、足場のようなものが散乱しています。落下の衝撃でしょうか、3階部分の床には、大きな穴が開いています。
19日午前9時すぎ、東京・日本橋の51階建てのビル建設現場で15トンの鉄骨が落下する事故が起きました。6人の作業員が巻き込まれ、33歳と43歳の男性2人は搬送先の病院で死亡が確認されました。
事故があったビルの9階で作業していた人:「鉄骨がもう崩れて、足場台もめちゃくちゃで。僕が見たときは2人倒れていた」
落下した鉄骨は、長さ30メートル、重さ15トン。その衝撃音は、東京駅近くの定点カメラでも捉えられていました。
現場近くにいた人:「地震と雷が一緒にきたような感じ。座っていても揺れる感じだった」
現場近くのクリニックの人:「体感的にも揺れるような感じを受けた。足元からくるような衝撃」
現場は東京駅・八重洲口の目の前。オフィスビルが立ち並ぶ一角です。着工したのはおととしで、2年後、51階建ての複合商業施設ができる予定でした。
建設を手がけているのは、大林組と大成建設の共同事業体。大林組の説明によりますと、7階部分で鉄骨を固定する作業をしていたところでした。
クレーンでつった鉄骨の上に1人。4人は7階にいました。
何らかの原因で鉄骨が落下すると、つられるように、すでに設置していた4本も20メートル下の3階部分まで落ちたということです。
■大林組が謝罪「悔恨の極み」
なぜ、鉄骨は落下したのでしょうか。建設の施工に詳しい専門家は、次のように話します。
ものつくり大学 建設学科 三原斉教授:「素線を束にしてワイヤは編んでいるんですけど。数本の素線が損傷していた可能性がある。ワイヤを鉄骨梁(はり)に取り付ける際に使用する釣りクランプが、確実に固定されておらず外れた可能性。すなわちヒューマンエラー」
また、周りにビルが多くあるからこそ起こりうる“不可抗力の可能性”も指摘します。
三原教授:「突風が吹くとか、ビル風が急に吹き出すとか、釣り上げている1本の鉄骨梁に、その力がかかってしまって、他の鉄骨梁にその1本の梁が接触して、鉄骨梁と梁を接合している仮(止めの)ボルトが、その力に耐え切れず折れてしまう、もしくは破損してしまう」
大林組は事故について、作業員の安全を守れなかったことは「悔恨の極み」としたうえで、「原因の究明に全力を挙げて取り組み、全社をあげて再発防止と安全施工の徹底に取り組んでまいります」としています。
(「グッド!モーニング」2023年9月20日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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