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畜産農家“封じ込めに厳戒態勢”豚熱 九州でワクチン接種開始(2023年9月19日)
先月31日、佐賀県唐津市の養豚場2カ所で、家畜伝染病『豚熱』が確認されました。九州での発生は31年ぶりで、県は、1万頭以上の殺処分に踏み切りました。
鹿児島県産の上質な黒豚をたっぷり使った黒豚しゃぶしゃぶを楽しめる九州料理専門店の店主・大坪さんは、こう話します。
黒豚屋ぶん福ちゃがま・大坪良平店長:「9月の頭に黒豚の卸(業者)の方からご連絡いただきまして、『うちの豚はちゃんとしているから、大丈夫だけれども、今後、ちょっと価格の高騰とか、いろんな問題があるかもしれない』と。黒豚がなくなると、雇用するスタッフの給料減ともなる売り上げになる。困る人が続出していくのではないかという危惧はしています」
豚熱は、人に感染することはなく、感染した豚の肉が、市場に出回ることもありません。ただ、強い伝染力と、高い致死率があり、その治療法もないため、家畜を守るにはワクチンを打つほかありません。
感染が確認された佐賀に加え、福岡、長崎、大分で、19日、ワクチンの受け渡しが始まりました。
養豚業者『丸福』・工藤厚憲社長:「いち早くワクチン接種、従業員総出でやりたい。そういう準備をしています」
3万5000頭を飼育する工藤社長。養豚場に戻り、早速、ワクチンの接種を始めます。接種を急ぐ理由は、ひとたび感染してしまうと、計り知れない打撃を受けるからです。
養豚業者『丸福』・工藤厚憲社長:「全頭、殺処分となると、経済的打撃も相当大きいし、殺処分の手間とか埋却の処置、もろもろを考えると、経済的にもかなりの損失が出てくる」
仮にそうなれば、一から育て、出荷できるまで、約2年を要します。
接種が急がれるのは、九州の南3県も同じです。今回の感染ルートが、まだ、よくわかっていないからです。
宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター・岡林環樹教授:「九州は養豚エリアであって、日本の養豚の3分の1を担っている。いま、ワクチンをはじめとする防疫対策を導入して実践しないと、(日本全体の)3分の1の出荷が止まってしまう。これを回避するためにも、いま、豚熱をコントロールして、防疫に取り組んでいくことが、すごく大事だと考えます」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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