敬老行事は77歳からと“2歳引き上げ”も…変わる『敬老の日』(2023年9月18日)

敬老行事は77歳からと“2歳引き上げ”も…変わる『敬老の日』(2023年9月18日)

敬老行事は77歳からと“2歳引き上げ”も…変わる『敬老の日』(2023年9月18日)

9月18日は『敬老の日』です。最新の統計で、65歳以上の人は3623万人。総人口に占める割合は29.1%と、過去最高となりました。
佐野誠一さん(今月で90):「普段はもう歳、忘れています。歳を気にすると、年が寄ってくるじゃないですか。年寄りという言葉もあるように」

100歳以上の人も、53年連続で増えていて、なかには現役で働く人もいます。
洋品店を営む目黒教子さん(101):「みなさんね、旦那さんの方が先に逝かれる。だから未亡人3~4人集めて、食事しておしゃべり。それを楽しんで、たまには、これ(お酒)」

高齢者のさらなる高齢化が進む事態にどう対応すべきか。自治体も揺れています。
秋田県仙北市。満80歳を迎える住民に支給していた5000円の敬老祝い金について、市が、議会に廃止を提案しました。
祝い金廃止に“反対”・高久昭二議員(76):「ささやかな、わずか5000円という金額ではございますが、楽しみにしている方々が多数、市民にいる。ささいな幸せを奪うべきではない」
祝い金廃止に“賛成”・澤田雅亮議員(33)「市として投資をすべきは、子どもであります。批判され、つらい思いをしてでも、将来への状況改善につなげることが、次世代、将来につなぐという言葉の重みではないでしょうか」

結果、議案は否決されました。敬老の祝い金を廃止しようとする動きは、仙北市に限った話ではありません。

自治体の負担を減らすために、お祝いする年齢自体の見直しも始まっています。
広島県福山市の敬老行事は、これまで75歳以上が対象でしたが、今年から77歳以上へと引き上げられました。3年後には、80歳以上とする考えです。さらに、市から一般高齢者への記念品はなくなり、地域からの記念品もなくしたといいます。
加茂敬老実行委員会・久保辰己会長:「高齢者に一軒一軒、町内会の役員で配っていたので、大変、負担になっていた」

敬老行事の対象年齢を2歳引き上げたことで、市の予算は、去年より3000万円、削減できるそうです。
参加者(82):「子どもに使わないかん、お金を。『財源がない』言われれば仕方ない。子どもは宝だから」
スタッフ(65):「老人が老人を歓待する形になるので、少ない方が良いのは間違いない、対象者が」

では、敬老行事の対象年齢引き上げによって、狭間に置かれた75歳の人は、こう話します。
江草修さん(75):「(Q.引き上げは賛成か反対か)どちらでもいい。賛成でいいんじゃないですか。昔の敬老と違いますからね。みんな75歳を過ぎても、元気な人は元気ですから。あまり違和感はないと、個人的には思う」

※日本の少子高齢化が進むなか、懸念されているのが、2年後に迫る2025年問題です。 

2025年問題とは、戦後の第一次ベビーブーム(1947~1949年)に生まれた、いわゆる“団塊世代”が75歳以上の後期高齢者となることで、社会保障費の負担増や人材不足がさらに深刻化する問題のことです。

総人口に占める割合が多い年齢層が、戦後のベビーブームに生まれた“団塊世代”で、約800万人います。この世代・全員が「75歳以上」となるのが、2025年です。

そこで問題になるのが、社会保障費の増大です。現在は、後期高齢者の医療・介護費の自己負担額は、一定以上の所得がある場合を除き、原則1割です。残りは、現役世代の税金で賄われています。

医療・介護費の合計給付額は、2018年度は約50兆円ですが、2025年度には約63兆円と、約13兆円も増加すると試算されています。そのほか、介護職の担い手不足など深刻な問題は山積みです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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