人事の前哨戦? 「総裁選優先内閣」選挙いつ 専門家が解説(2023年9月13日)
内閣改造に踏み切った岸田総理大臣。顔ぶれについて専門家は、解散をにらんだ思惑が見え隠れすると指摘しています。
■人事の前哨戦?専門家が解説
この内閣改造について後藤氏の見方は、こうです。
ジャーナリスト 白鴎大学名誉教授 後藤謙次氏:「すべて来年9月の総裁選で岸田さんが無投票再選の環境ができるかどうか。その環境整備に入った、いわば今回の人事は前哨戦と言っていい」
どのような環境整備なされたのか、今回の改造の特徴を「安定感」や「実務能力」など5つの分野で評価し、分析してもらいました。
ジャーナリスト 白鴎大学名誉教授 後藤謙次氏:「見て分かるように非常に面積が小さい。あまり高い評価を与えられない顔ぶれ。つまり、国民世論が見る安定感とちょっと違う。つまり敵をなるべく作らない、党内に。そういう安定感を求めた顔ぶれ。これはなかなか厳しいと思いますね。とりわけ岸田さんの場合は下がった支持率を一度上げて、それがまた下がったと。二度上げるのは、よほど大きなインパクトがなければならない。しかし、そのサプライズを与えるような大きな動きはなかった。官房長官とか財務大臣の主要閣僚については一応、留任という点では実務能力がある」
■党内の安定“最優先”内閣改造
ただ、外務大臣と防衛大臣という2つの重量閣僚は交代となりました。後藤氏は、ここにも岸田総理の“総裁選優先”の考えが見え隠れするといいます。
ジャーナリスト 白鴎大学名誉教授 後藤謙次氏:「(林氏は)優秀な外務大臣でした。ただし、一方で党内の保守派と言はれる人たちからは中国に近すぎるんじゃないかと、そういう否定的な意見もあった。来年の総裁選をにらんだ時に党内保守派、いわゆる第1派閥の安倍派を引き付けるという意味では、林さんを外すと」
■ポスト岸田“封じ込め”人事の狙い
また、“ポスト岸田”の封じ込めもあるそうです。
ジャーナリスト 白鴎大学名誉教授 後藤謙次氏:「閣内にとどめておくことが自分の総裁選に有利なそのうちの1人は河野太郎さんですね。それから高市早苗さんですね。安倍さんの後ろ盾がなくなったとはいえ、保守派を中心に根強い支持がある点では来年の総裁選に出にくくすると、閣内にとどめるという判断をしたと思う」
派閥のバランスについては、どうなのでしょうか。
ジャーナリスト 白鴎大学名誉教授 後藤謙次氏:「一つは加藤(鮎子)さん、党内の派閥ではありませんけど、谷垣Gという、かつて岸田さんと一緒にやった加藤紘一さんのお嬢さんですね。つまち、そこの数は多くはありませんが、谷垣Gの指示もきちっと取り付けておく」
■森元総理の存在…専門家が解説
少ない派閥にも配慮した人事ですが、やはり最大派閥・安倍派、とりわけ森元総理の存在が大きいといいます。
ジャーナリスト 白鴎大学名誉教授 後藤謙次氏:「100人の議員を抱えている安倍派がどう動くかによって、第4派閥の岸田さんは岸田おろしに入ればひとたまりもない。萩生田さんとか西村さんとかいるにもかかわらず、当面は岸田さんでいこうと言ったのは森さんなんです。森さんの意向は100%どころか120%尊重せざるを得なかったというのが今回の人事」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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