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「地球沸騰化」で台風に異変 スピード遅く進路不規則に(2023年9月9日)
8日に本州に接近した台風13号は茨城県や福島県に甚大な被害をもたらしました。気象の専門家は「地球沸騰化」という言葉を用いて、警鐘を鳴らしています。
三重大学大学院 立花義裕教授
『「地球沸騰化」という比喩に適合したような現象が日本周辺の海域で起こっている』
「地球温暖化」を上回る、「地球沸騰化」という表現は、この夏から国連が使い始めた言葉です。引き起こされる異常気象は、今週だけに限っても、世界各地で起きています。
その中でサタデーステーションが注目したのは、香港です。7日夜から8日にかけて、記録的な豪雨に見舞われた香港では、1時間雨量は158.1ミリと、140年前に観測を開始して以来、最大を記録。日本でも観測されたことがない量の雨です。
香港在住の日本人
『本当に今まで体験したことがないレベルの集中豪雨が一気に押し寄せてきた、という印象』
地下鉄の駅構内には、大量の泥水が流れ込み、エスカレーターや階段は滝のような状態に。駅のホームも水浸し、電車が到着しましたが、ドアを開けずに、次の駅に向かいました。
香港には、日本にもあるような豪雨対策の地下施設が3つも作られていました。しかし、「ブラックレインストーム警報」と呼ばれる最高レベルの警報が16時間以上も継続、年間雨量の4分の1以上の雨が降った結果、大きな被害が出てしまっています。2人が死亡、1人が行方不明、144人が負傷。大規模な土砂崩れも発生し、現在も各地で復旧作業が続いています。この豪雨は、台風11号から変わった、熱帯低気圧によってもたらされたものです。
実は、今回の日本と香港の豪雨には、温暖化によって引き起こされた、”ある現象”が密接にかかわっているといいます。
三重大学大学院 立花義裕教授
『全部がこの猛暑による偏西風の激しい蛇行で説明が付く』
立花教授によると、通常、台風は日本列島付近で偏西風の影響を受け、スピードにのりながら北東へと移動していきます。しかし、今年の夏は北極の温暖化が著しいことなどから、偏西風が大きく蛇行。日本列島付近の風が弱まりました。その結果、近くを通る台風はゆっくりと移動、長時間の雨を降らせています。
三重大学大学院 立花義裕教授
『(台風が)ゆっくり動くので、温かい海から熱と水蒸気をもらう時間が長くなり雨が増える』
また、日本列島付近の風が弱いことで、進路が読めないような異常な動きをする台風が増え、今回の香港の豪雨にもつながったと言います。
三重大学大学院 立花義裕教授
『香港に行く台風は普通、夏の始めに行く。激しい偏西風の蛇行で、太平洋あたりの空気が淀んでいるので、(台風が)どっちに行くかわからない。たまたま(香港に)行ってしまった』
そして、このような状況は今後も続くといいます。
三重大学大学院 立花義裕教授
『偏西風が蛇行する状態はあまり変わらないので、「暑い状態」と「豪雨の状態」が、秋まで尾を引くと思う』
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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