「取引大きく減る可能性を危惧」ビッグモーター問題で損保ジャパン・白川社長辞任へ(2023年9月8日)

「取引大きく減る可能性を危惧」ビッグモーター問題で損保ジャパン・白川社長辞任へ(2023年9月8日)

「取引大きく減る可能性を危惧」ビッグモーター問題で損保ジャパン・白川社長辞任へ(2023年9月8日)

中古車販売大手『ビッグモーター』の保険金不正請求問題をめぐり、『損保ジャパン』の白川儀一社長(53)が会見を開き、不正の可能性を認識していたことを認め、辞任を表明しました。
損保ジャパン・白川儀一社長:「ビッグモーター社との取引関係を重視する一方、私たちが最も大切にすべきお客さまへの思いが至っていない、軽率な考えであった」

ビッグモーターからの保険料収入は年間約120億円。取引のある7社の中で、損保ジャパンのシェアは約6割に上ります。不正が発覚した当初から、関係の深さが指摘されていました。

損保ジャパンによれば、ビッグモーターとは事故車の修理を1件紹介するのと引き換えに、5件の自賠責保険の契約を回してもらう関係になっていました。白川社長は、保険契約を得るため、ビッグモーターを重視せざるを得ないようになったと話します。
損保ジャパン・白川儀一社長:「全社的にビッグモーターへの入庫を推進する動きがあった。大きな取引をいただいている先の一つという認識をしている。現場からすると、それだけ大きな保険料をいただいている部分は、やはり気をつかう部分があったのでは」

気をつかう部分もあったと語った白川社長。辞任の理由となったのも、不正を知りながら、取引再開を促したことでした。
損保ジャパン・白川儀一社長:「競合他社に現在の取引が大きくシフトする強い懸念を持っていたことも事実」

去年、内部告発でビッグモーターの保険金の不正が発覚。損保各社は、取引を停止します。このとき、損保ジャパンは、出向していた社員から「工場長から不正の指示があった」とする報告を受けていました。しかし、ビッグモーターは損保各社に「指示はなかった」との報告書を提出。不審に思った各社が取引停止を続けるなか、去年7月に開かれた役員らの会議で、白川社長は「追加調査を行っても関係がさらに悪化する可能性がある」などとして、取引再開を促していました。
損保ジャパン・白川儀一社長:「我々の取引が大きく減る可能性があるという危惧をしていた。保険金サービス部門からは『追加調査した方が良いのではないか』と。詳細は調査委員会が、いま調査中。コメントはなかなか難しい部分はある。どういう議論があったにせよ、社長としてのコメント、発言を重たく参加メンバーは捉えたのでは」

関係者によりますと、この会議の5日後、ビッグモーターの兼重宏之社長と息子で副社長の宏一氏が損保ジャパンの本社を訪れ、こう話したといいます。
ビッグモーター・兼重宏之社長(当時):「最大のパートナーとして今後も損保ジャパンとの関係を続けていく。新たに開く複数の店舗の保険ビジネスをお願いしたい」

この年、損保ジャパンは、コンプライアンス部門にも3人の出向者を送っていました。なぜ、不正を見抜けなかったのでしょうか。

2019年、損保ジャパンは、ビッグモーターからの保険請求の査定手続きを簡素化する『簡易査定』を導入します。その情報は、ビッグモーター内でも共有されていました。しかし、その後、問題のある査定が多くなっていったといいます。
損保ジャパン・白川儀一社長:「その時点で簡易調査工場の対象外とするなど、毅然として改善を確約させるべきだったが、大型代理店であるビッグモーター社からの大きな反発を受けることをおそれ、厳正な対応ができなかった」

責任の追及は、経済同友会の前代表幹事で、親会社『SOMPOホールディングス』の櫻田謙悟会長にも及びました。
SOMPOホールディングス・櫻田謙悟会長:「(Q.白川さんの辞任だけがグループや組織の自浄作用になるか)調査委員会のインタビューをまだ受けておりませんし、結果次第ではありますが、少なくとも現時点で私の辞任の可能性はゼロである。やるべきことは、まだたくさんあると信じています」   

損保ジャパンは、先月末に金融庁に報告書を提出。金融庁は来週にも立ち入り検査をする予定です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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