大阪ＩＲのイメージ動画　美術家の作品など２０点超を不適切利用　大阪府・市「意識が不十分だった」

大阪ＩＲのイメージ動画　美術家の作品など２０点超を不適切利用　大阪府・市「意識が不十分だった」

　大阪でのカジノを含む統合型リゾート＝ＩＲの完成イメージ図などに美術家の作品が無断で使われていた問題で、大阪府と大阪市が調査結果を公表し、新たに写真など２０点以上が適切な許諾を得ないまま使用されていたことが分かりました。

　問題となっているＩＲのイメージ図や動画は、大阪ＩＲ株式会社などが制作し、大阪府・市の動画やポスターなどで使用されているほか、報道機関などにも提供されています。　

　今年４月、美術家の奈良美智さんが、動画等に「大きな犬の自作イメージが出てくるのだが、使用を許可したこともない」などと自身のＳＮＳで指摘したことで問題が発覚し、事業者が調査を行っていました。

　２９日に公表された調査結果によりますと、利用許諾を得られていなかったり、適切な権利処理を行っていなかったりする作品が、奈良さんの作品を含め２３点あることが分かりました。

　奈良美智さんの作品「あおもり犬」は、２０２０年に利用許諾の依頼を断られていたにも関わらず使用を続けていて、村上隆さんの「お花お花お花」という作品は、利用許諾の連絡をしていませんでした。

　事業者と府、市は、「権利処理の重要性に対する意識が不十分であり、必要なチェックを行っていなかった」として謝罪するとともに、権利処理の状況を確認する体制を強化するなど再発防止策を行うとしています。
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