「なぜ汚染水を…」“迷惑電話”中国人直撃…16歳学生「SNSで流行っている」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年8月29日)
24日に開始された福島第一原発の処理水の放出。この放出を巡って今、日本国内で相次いで起きているのが、中国からの「嫌がらせ電話」です。
電話をかけてくるのはどんな人物なのか?着信履歴があった番号に連絡しました。
■16歳の学生…迷惑電話の理由は?
中国からかかってきた音声:「あなたは頭がおかしいんじゃないですか?なぜ、核廃水を海に流すんですか?バカ野郎」
これは中国の国番号「86」で始まる番号からかかってきた迷惑電話です。
中国からかかってきた音声:「あなたたちは、なぜ汚水を排出するのか。あなたたちはバカ、なぜ排出するのか」
自動音声のような声の電話や、子どものような声も…。
中国からかかってきた音声:「あなたたちは頭が悪いよ。中国に核汚染水を流して。あなたたちは、ろくな死に方をしないように呪ってやる」
かかってきたのは、東京・江戸川区の公共施設、江戸川区総合文化センターです。処理水放出とは無縁のこの場所に、なぜかこれまでに200件以上、迷惑電話が相次いでいます。
着信履歴を見せてもらいました。
江戸川区総合文化センター 齋藤俊光館長:「ずっと『86(中国の国番号)』です。25日になって、朝からひっきりなしに(電話が)鳴るようになって。ほとんど仕事にならない状態。86の番号もバラバラなんですよ。最初はナンバーで拒否しようと思ったんですけど、きりがなくなったので諦めた」
通信会社に依頼し、海外からの着信を制限する対策を取っている最中ですが、取材中にも…。
中国からの電話をとるも、すぐに切られます。着信番号に電話すると、若い男女につながりました。広東省に住む学生だといいます。
電話したとみられる人物:「SNSではやっていて、わざとかけた」「(Q.電話番号は別の人から教えてもらった?)そうです。他の人もたくさんかけるでしょう」「処理水放出するほうが悪いでしょう」「(日本は)処理水にお金をかけたくない。日本はアメリカの犬です」
さらに、別の着信履歴の番号に電話すると…。
電話したとみられる人物:「(Q.ここは江戸川区総合文化センターです。どうして電話をしてきたんですか?)友達がこの電話番号を教えてくれて、かけてみてと言われたので、ただかけただけです。電話に出た人は何もしゃべらなかったので、すぐに電話をきりました」「(Q.年齢を聞いてもいいですか?)16歳」
16歳の学生だという女性。迷惑電話をした理由は…。
電話したとみられる人物:「日本に興味があって、かけてみただけ」
中国のSNSに投稿された動画には、「江戸川区総合文化」の文字。さらに電話番号は、江戸川区総合文化センターの代表番号でした。
■怒りあらわにし…電話を切る「もういいでしょ」
さらに、迷惑電話は東京・江東区にある会員制のバーにも。28日も、中国からの迷惑電話が相次いでいたといいます。
会員制バーのオーナー:「1時間に何本もずっとかかってきてる状態で、ほぼ鳴り続けてましたね。どうにもできないんでね。着信音を消して対応するしかなかった」
着信履歴を見せてもらい、スタッフが電話をかけると…。
電話したとみられる人物:「(Q.どうやって、この番号を知りましたか?)携帯を触ったら、電話をかけてしまいました。間違って電話をかけました」「(Q.どうして間違えたんですか?)間違って押しました」「(Q.(これまで)日本に電話をかけ間違えたことはありますか?)いいえ。日本には行ったこともない」
再度質問を投げかけようとしたところ突然、怒りをあらわにし電話を切ってしまいました。
電話したとみられる人物:「もういいでしょ」「(Q.この番号は知っていたんですか?)さっき間違えたと言ったでしょ」
■医師にも迷惑電話「わずかな睡眠時間に…」
迷惑電話は、熱中症や新型コロナなどの対応に日々、追われている都内のクリニックにまで及んでいました。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長:「真夜中に着信履歴があった。はっと見たら、最初の番号が中国本土からの電話」
深夜の迷惑電話により、大事な睡眠時間が奪われているといいます。
伊藤院長:「お盆から、ぶっ通しで診療してきたので、コロナの患者さんも多いし、熱中症の患者さんも多いので。自分も疲労がたまってピークに達していた。自分自身も夜の貴重なわずかな睡眠時間に、(睡眠を)ぶった切られてしまうと、やっぱりちょっと体がもたない。迷惑電話が増えてくると、本当に困ったもの」
処理水の海洋放出が始まった福島第一原発のある福島県にも、多くの迷惑電話が…。福島市内にあるラーメン店では、お店に900件ほどの迷惑電話があったといいます。
「若武者」グループ 山本一平代表:「早朝から、もう夜までずっと。鳴りやまない。ちゃかしてる感じで『バーカ』とか『処理水』とか。本気になって、処理水で怒っているんじゃなくて。たたけば面白いよね、みたいな感じ」
福島県 内堀雅雄知事:「まさに迷惑電話であり、大変遺憾であります」
福島県庁には25日から28日までに、中国の国番号「86」からおよそ1000件の電話が…。また、福島市は24日から27日までの4日間で、合わせて770件の不審電話が市役所や市立の小中学校などにあったことを発表しました。
さらに、24日から28日にかけて、東京電力の本社などに中国の国番号「86」から6000件以上の電話がかかってきたといいます。
■岸田総理「遺憾なことであると言わざるを得ない」
中国国内で日本人への嫌がらせが起きていることについて、中国政府はどう考えているのか。
中国外務省 報道担当:「皆さんに伝えたいのは、中国は一貫して法律に基づき、中国にいる外国人の安全と正当な権利を保障しています」
さらに、日本国内への嫌がらせ電話が相次いでいることについては、次のように話します。
日本の記者:「このような行為を直ちにやめるよう、中国政府は呼び掛けないのですか?」
中国外務省 報道担当:「おっしゃる状況は、把握しておりません。日本政府に対する批判、反対の姿勢は国際社会においても代表的なものです。これについて日本側によく考えていただきたい」
嫌がらせ電話については「把握していない」とし、明言を避けました。
これに対して岸田文雄総理大臣は、次のように話します。
岸田総理:「中国発とされる多数の迷惑電話や、日本大使館、日本人学校への投石などが行われています。これは遺憾なことであると言わざるを得ない」
こうしたなか28日、処理水放出後、初めて西村康稔経済産業大臣が福島を訪問。地元の水産物を試食し、安全性やおいしさをアピールしました。
西村経済産業大臣:「安全性を確認をしていきながら、そのデータを透明に、すべて公表するということで、しっかりと対応していきたいと思います。そのことが、一番の風評対策になると思っております」
東電は、毎日行っているモニタリングの結果を28日も公表。放出を始めて以降、4日連続で、国の安全基準を大きく下回っているとしています。
■“不安”あおられ…塩・コンブの買いだめも
しかし今、中国のSNSで広まっているのが、根拠の分からない“汚染水の動画”です。
中国メディアのSNSで公開されている動画。“汚染水の広がり”をシミュレーションしているとしていて、約240日後に中国沿岸に到達するとしています。
ただ、どのような数値や計算式を基に作られたかは不明です。
製作者側に質問を送りましたが、現時点で回答はありません。
こうした情報で、あおられる人々の“不安”。今、中国で相次いでいるのが、塩の買いだめです。
塩を買う男児:「これは僕の物!奪わないでよ!」
子どもも参戦し、売り場に残った塩を奪い合う人たち。中国では、処理水を放出する前の海水から作られた塩の買いだめが横行。別の動画でも、台車で塩が運ばれてくると、あっという間に多くの人が集まり、塩を持ち去っていきます。
さらに、コンブでも“買いだめ”が起こっています。
買い物客:「買いだめされていて、なくなってしまうわ。コンブがなくなってしまうわ」
大量にコンブを買い求める人々。スーパーの売り場でもコンブを買う人が多く集まっていました。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年8月29日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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