キング牧師「私には夢がある」演説から60年 “すべての人に対して敬意と愛を” 最前線で差別と闘った白人女性の思い|TBS NEWS DIG
「シリーズ現場から」です。アメリカで公民権運動の指導者キング牧師が人種差別の撲滅を訴え「私には夢がある」と演説を行ってから60年が経ちます。当時、差別と闘った人は今の社会をどう見るのか。ある白人女性を取材しました。
キング牧師
「私には夢がある。いつの日か私の4人の子どもが肌の色によってではなく、人格そのものによって評価される国に住むという夢です」
60年前の夏、人種差別のない社会の実現を訴えたキング牧師。あの日、この現場に1人の女性がいました。
ジョアンさん
「お会いできてうれしいです。来てくれてありがとう」
今では81歳になるジョアン・トランパウアーさんです。60年前、彼女は最前線で人種差別と闘っていました。
これは「有色人種はお断り」としていた食堂で撮られた写真です。ジョアンさんは黒人女性や、先住民系の男性とともに座り込みを行い、「差別撤廃」を訴えました。すぐに大勢の白人に囲まれ、嫌がらせを受けたといいます。
ジョアンさん
「ケチャップやらマスタードやらあらゆるものをかけられました。隣の男性は金属で殴られて血を流していました。ひどい言葉で罵られました。『裏切り者』『白人に対する裏切り者』と言われましたよ」
それでもジョアンさんは抗議活動を続け、何度も逮捕されましたが、抗議をやめることはありませんでした。
ジョアンさん
「誰もが同じように扱われるべき、それが正しいことだと信じていましたからね」
あの日、集会のスタッフとして現場にいたジョアンさん。こんな裏話を教えてくれました。
ジョアンさん
「キング牧師が用意した原稿には『アイ・ハブ・ア・ドリーム』なんて一言も書いてなかったんですよ。しゃべり始めて突然『アイ・ハブ・ア・ドリーム』なんて言いだしたんです」
あれから60年。キング牧師が夢見た理想の社会は実現したかを聞いてみると…
ジョアンさん
「私たちの世代で法的な差別は無くなりましたけど、隠れていた差別が今多く見られます。すべての人に対して敬意と愛を持たないといけませんね」
「正義なくして、平和なし」
26日、ワシントンでは演説から60年を記念する集会が開かれ、キング牧師が演説した同じ場所に孫娘が立ちました。
キング牧師の孫娘
「もし、おじいさんと話ができるとしたら『ごめんなさい』と言いたいです。おじいさんの取り組みをやり遂げて、夢を実現するために今もこうして集まらなければならないのですから」
差別のない社会を実現できるか。闘いは世代を超えて続いていきます。
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