“ニセ僧侶”上野に出没、数珠・お札を1万円で売る コロナ前直撃も…正体は【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

“ニセ僧侶”上野に出没、数珠・お札を1万円で売る コロナ前直撃も…正体は【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

“ニセ僧侶”上野に出没、数珠・お札を1万円で売る コロナ前直撃も…正体は【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

東京・上野公園にある徳川家康ゆかりの「上野東照宮」が、参拝客に声をかけお札や数珠を売りつける“ニセ僧侶”への注意を呼びかけています。どんな手口なのでしょうか。

■6年前のニセ僧侶と所持品が酷似

高柳光希キャスター:
ニセ僧侶の手口をまとめました。
まずは上野東照宮です。1627年に創建され、400年近い歴史のある徳川家康を祀る神社です。
多数の外国人観光客も訪れている上野公園内ですが、7月24日、ヨーロッパ系の白人に「数珠」や「お札」を渡し、1万円で売りつける被害が確認されています。

そして、過去にも事例がありました。
ニセ僧侶は、2016年にも確認されており、2017年4月には、中国籍の自称・農家の男性が逮捕されています。

では、今回出没しているニセ僧侶の関連性を見ていきます。
過去のニセ僧侶との共通点ですが、6年前の2017年4月に警視庁が逮捕した中国籍男性の所持品と、2023年8月に確認されたニセ僧侶の所持品に関して、かなり似ているものが扱われています。

そして、神社の近くの売店の方にお話を伺っています。

神社の近くの売店の店員
「(外国人に)“お札”を渡して、『ありがとう』と言ったら、『お金をいくらいただきます』と」
→先に「お札」を渡して、その後に受け取って、「ありがとう」と言ったら「お金ください」という形になっているということですね。

神社の近くの売店の店員
「コロナ渦で見なくなっていたが“解禁”になったから来たのかも」

■当時のニセ僧侶“10日間で15万円”だまし取る

高柳キャスター:
そんな中で、2016年にNスタがニセ僧侶を取材しています。
2016年、花見客でごった返す上野恩賜公園で、外国人観光客に声をかけるニセ僧侶がいました。
禁煙の場所の駐車場でタバコ吸い、ポイ捨て。
さらには歩道橋に座り込み、スマートフォンでゲームを楽しんでいます。
その後、イカ焼きとお酒をたしなむ姿を見せるなど、僧侶とは思えない行動をとっていました。

そして、2016年、Nスタが日本にあるアジトを直撃した際、男性2人はこんなことを話していました。
「中国の浙江省から来た農家出身」だと言います。
そして、浙江省の現地のブローカーに600元(当時約1万円)を渡すことで、日本のアジトへ送ってもらっていたということです。
だまし取った金額は、10日間で15万円(1人あたり)との事です。この中国・浙江省の農家の方たちの年収は約10万円なので、10日間で15万円となると、かなりの金額だということがわかります。

■海外に行って「NO」と言えるか

井上貴博キャスター:
このときは、ある程度犯行グループであるということは認めて喋っているということですか?

高柳キャスター:
そうですね。このときには自分たちがやっていたことを認めていました。

井上キャスター:
この元締めを一網打尽にするというのは大切ですし、摘発を続けるというのは重要だと思うんですけど、いきなり道端で言われたら、なかなか外国人観光客の方からするとわからないだろうなと思うんですよね。

田中ウルヴェ京スポーツ心理学者(博士):
私が海外に行ったら、「そんなものかな」みたいな騙され方はやはりしかねないですよね。「いりません」みたいにしっかり「NO」と言える人がどれくらいいるのかなど、その辺りわかんないです。でも「そんなものかな」みたいに思ってしまうというのはありますよね。

■当時のニセ僧侶 村の手品の人気低迷がきっかけ

高柳キャスター:
そして2016年に取材した際のニセ僧侶の「数珠」や「お札」はどこで入手しているのでしょうか。
2016年、中国・河南省の周営村というところですが、中国の手品の発祥の地だそうです。
村にあるお店では、数珠が多く扱われているんですが、ではそのニセ僧侶とどんな関係があったのでしょうか。

当時のニセ僧侶
「ニセ僧侶始めたのは10年ぐらい前、若者がどっと出ていった」

村の手品の人気が低迷したことで、新しい仕事に、この“ニセ僧侶”が見つかって選ばれたということなんです。

■外国人観光客への情報発信のあり方

井上キャスター:
今回こういう詐欺被害のようなケースですけど、思うのは外国人観光客が多くいらっしゃってる中で、日本は、例えば台風のときなどの情報発信がなかなか適切にできてない気がして、もう少しアプリをダウンロードしてもらうようにするなど、何か周知徹底のやり方、他にも「地震についてどうアプローチするんだ」など、何かやり方があるかなと思うんですよね。

田中ウルヴェ京スポーツ心理学者(博士):
せっかくSNSというものがあるわけなので、言語が違えど、少なくとも英語で「こういうような危険がありますよ」や「こんなふうなことは注意してください」という、たった一文あるだけでもまた違いますよね。

ホラン千秋キャスター:
でも自分が海外で同じようなシチュエーションになったら、「あ、いらないです」という勇気がなかなか出ない。「気を悪くさせるのも申し訳ないし」と出してしまう気持ちもわかりますね。だからこそですね。

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