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原発処理水の海洋放出始まる “安全”を“安心”にどう変える?(2023年8月24日)
「安全と安心は違う」。そんな声も上がるなか、原発処理水の海洋放出が始まりました。放射性物質の濃度が基準値を下回っています。では、安全を安心につなげていくには一体どうしたら良いのでしょうか。福島の皆さんに聞きました。
■食堂の不安「“安心”広がらない」
地元の魚介にこだわる食堂は不安を隠せません。
食処 くさの根 新谷郁子さん:「科学的『安全』は周知されてきていると思うが、社会的な『安心』の方が全然広まっていないと感じている。どこまで安心なのかというところで、それがお魚を買うというところまでつながるかどうか不安」
波風を立てずとはいかない船出です。24日午後1時すぎから始まった海洋放出。処理水には放射性物質「トリチウム」が残っていて、これに大量の海水を混ぜて濃度を国が定めた安全基準の40分の1未満にしたうえで、約1キロにわたる海底トンネルを通って放出されます。
東電は海水で薄めた約1200立方メートルの処理水をいったん大型の水槽にため、放射性物質「トリチウム」の濃度を測定。その結果、濃度は1リットルあたり最大63ベクレルで、放出の基準となる1リットルあたり1500ベクレルを大きく下回ったということです。
福島第一廃炉推進カンパニー ALPS処理水対策責任者 松本純一氏:「一日あたり460トンで流すということになっているので、特にトラブル等の支障がなければ約17日間で約7800立方メートルのK4-B群のタンクの水を放出することになろうというふうに考えております」
■“安全”と“安心” 漁業関係者は
福島第一原発からから南に約60キロ。福島県いわき市南部の小名浜港。漁業関係者は国が定めた「安全」を守ることで「安心」が得られるわけではないといいます。
鮮魚仲買人:「国は安心安全とは言っているが、風評被害がどこまで出るのか。正直、先行きに不安が多い」
第三政丸 志賀金三郎船長(76):「(処理水を)流したために市民は魚離れするんじゃないかなと。それが一番おっかない」
どうすれば安心に変わるのか…。
第三政丸 志賀金三郎船長:「毎回、一日一日揚がったやつの検体を調べています。今後はそれ以上に詳細なデータを取って、隠し事しないような感じでオープンに調べてもらえばいいなと。それだけだよね、安心するのは」
■“安全”を“安心”にどう変える?
別の港では補償の声が聞かれます。
福進丸 石橋正裕さん:「ちゃんと風評が出た場合とか今後、自分たちの漁業に影響がないようなサポートだったり、アフターケアをしっかりしてほしい」
東京電力は廃炉目標の2051年までに放出量をゼロにする予定です。地元の若い人たちは…。
地元の高校生:「これから復興したいって思ってもできないじゃないですか、(処理水を)そのままにしておくと。だから仕方ないのかなと思います」「それでも福島とかの魚は安全だよっていうのを政府とか国からPRして広めていってほしいです」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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