東電社長「風評生じさせない覚悟」海洋放出あすに控え“理解”求める(2023年8月23日)
福島第一原発の処理水の海洋放出を24日に控えて準備が着々と進むなか、23日午後、東京電力の社長が福島県いわき市を訪れて「風評を生じさせない覚悟で取り組んでいく」と海洋放出に理解を求めました。
■東電社長「風評生じさせない覚悟」
いよいよ24日、海に放出される福島第一原発の処理水。気象条件が悪くなければ午後1時ごろに開始する方向で調整しています。
福島県漁連 野崎哲会長:「従来通り、反対の立場であるということを伝えました。安全に計画通り進んでいくかということに関しては大きな不安を持っています」
漁業関係者が抱える安全性と風評被害への懸念は依然、消えていません。東京電力の小早川社長は23日午後、いわき市を訪れて海洋放出に向け、理解を求めました。
東京電力HD 小早川智明社長:「放出に向けた準備の作業を進めているところでございます。風評を生じさせないという強い覚悟を持って実施主体として取り組んで参ります」
いわき市 内田広之市長:「まだまだ理解醸成の途上だという認識でございますので、しっかりとこれから理解醸成に向けてですね、お願いしたいなと」
いわき市では市長直轄のチームを作って海水のモニタリングや海産物に含まれるトリチウムの検査を行うとしています。
放射性物質「トリチウム」が残った処理水は大量の海水を混ぜて濃度を国が定めた安全基準の40分の1未満にしたうえで、およそ1キロにわたる海底トンネルを通って放出されます。
東京電力は23日、処理水と海水を混ぜて想定通りに薄められているかを確認するなど、海洋放出に向けた準備を進めています。
東京電力の計画によると、2023年度の放出量は現在、貯蔵されているすべての処理水のおよそ2.3%にあたる、およそ3万1200トン。それを4回に分けて放出します。1回目は24日から延べ17日間でおよそ7800トンを放出する予定です。
現在、処理水が貯蔵されているタンクはおよそ1000基。処理水は毎日、発生して増えているため足し引きすると初年度に減る貯蔵タンクの数は10基だということです。
東京電力では放出量を徐々に増やし、廃炉目標の2051年までにゼロにする予定です。
東京電力HD 小早川智明社長:「しっかりと安全性を確保しながら、実際の放出に臨みたいと思います。一つひとつ、丁寧にステップを踏みながら進めていきたい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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