ハワイ・マウイ島だけじゃない 山火事の“世界同時発生” 背景に“気候変動”か【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG
ハワイ・マウイ島では、山火事による大きな被害がありましたが、この8月、カナダやスペインなど世界で山火事が“同時発生”しています。その背景には“気候変動”などが影響しているとみられています。一体何が起きているのかを解説します。
■「偏西風の蛇行の変化」が影響か
良原安美キャスター:
8月は、以下のように世界各地で山火事が相次いでいます。
【8月に世界各地で発生した山火事(ロイターなど)】
・フランス 南西部の村(8月15日)
焼失面積 約500ヘクタール
約2000人が避難
・ ポルトガル(8月9日)
焼失面積 約8400ヘクタール
約1400人が避難
・スペイン・カナリア諸島(8月21日)
焼失面積 8000ヘクタール以上
1万2000人以上が避難
・カナダ(8月21日)
1037か所で火災発生中
焼失面積 約1400万ヘクタール
・アメリカ ハワイ・マウイ島(8月20日)
114人以上が死亡
約3000棟が被害
世界で山火事が増えているのは気候変動の影響もありそうです。「北極の温暖化で偏西風の蛇行が変化している」ようです。
元々、偏西風は細かい螺旋状で移動をするのですが、温暖化によって大きな螺旋状となり移動もしないため、ヨーロッパなどで高温が続く状況となっています。
この高温が続くことで高気圧が強まり、乾燥や強風が起き、山火事にが増えているんだそうです。
三重大学 立花義裕教授(気象学):は「今後も北極の温暖化は避けられない。北半球では様々な場所で大規模な山火事が多発するのでは」と話しています。
■植物が原因となるケースも
良原安美キャスター:
さらに山火事の原因としてこんなケースもあります。
2019年~2020年にはオーストラリアで大規模な森林火災がありました。以下のような被害がありました。
・6万匹を超える野生のコアラが被害
・住宅3000棟以上が損壊
・焼失面積2400万ヘクタール以上(日本の国土の約6割)
これだけ被害が広がった原因として「ユーカリ」などが群生していて、この「ユーカリ」が油分を多く含むため樹皮が燃えやすかったということです。
その場に生えている植物も被害の大きさに影響を与えるということが分かります。
■日本でも海外のような“大規模な山火事”が起きる可能性も
また、日本での山火事の発生件数は1244件でした(令和4年 東京消防庁より)
日本の主な出火原因はたき火が31.5%、火入れ(野焼き)が18.4%で、原因の半分が“人為的なミス”だということです。
三重大学の立花義裕教授(気象学)は日本でも山火事の今後について「偏西風の影響が出ると、海外で起きているような大規模な山火事が起きる可能性がある」と話しています。
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