「ノックされると『タリバンが来た』と思ってしまう」“死刑宣告”を受けた女性 アフガニスタン タリバン実権掌握から2年 現地取材|TBS NEWS DIG
イスラム主義組織タリバンがアフガニスタンの実権を掌握してまる2年が経ちました。女性だということで教育など様々な権利が制限されるこの国の今を現地から中継で伝えてもらいます。
アフガニスタンの首都カブールからお伝えします。取材をして感じるのは、この国の女性の人権をめぐる状況は日々、悪化しているということです。
前の「共和国」で検察官を務め、今のタリバン政権下で事実上の死刑宣告を受けている女性の証言です。
この日、記者が向かった先は数多くのタリバン兵の裁判を担当し、殺害予告を受けている元検察官の女性、ファティマさんの潜伏先です。
元検察官 ファティマさん(仮名)
「ドアがノックされると 『タリバンが来た』と思ってしまう。本当に毎秒、気持ちが暗くなっていきます」
拘束されれば、死に直結。そんな危険にさらされている彼女に手を差し伸べている日本のNPOがあります。
認定NPO法人REALs 瀬谷ルミ子 理事長
「かつてタリバンをはじめとする武装勢力を取り締まったり、それに関連する仕事をしていたことで命を狙われてる女性たちが多いですね」
国際NPOの代表・瀬谷ルミ子さん。これまで294人のアフガニスタン人を国外退避させました。ファティマさんについても受け入れ国との調整を進めています。
認定NPO法人REALs 瀬谷ルミ子 理事長
「ドイツからは連絡が来ましたか?」
元検察官 ファティマさん(仮名)
「3か月くらい前に電話をもらったけど、その後は電話もメールも来ていません」
退避を確実にするため、今月からクラウドファンディングを立ち上げましたが、支援は伸び悩んでいるといいます。
認定NPO法人REALs 瀬谷ルミ子 理事長
「恐怖と闘いながら生きている方たちがいることを知っていただきたいと思います」
一方、女性の権利を制限してきた「勧善懲悪省」は。
アフガニスタン 勧善懲悪省報道官
「海外の機関から金をもらって働き、海外に逃亡した女性が騒ぎ立てています。アフガニスタン国内の女性は“西側”のような権利を要求しません」
取材に応じてくれたファティマさんこそ、NPOに繋がることができました。ただ、この2年間に命の危険にさらされながら、怯えながらの潜伏生活を余儀なくされている人もたくさんいます。
一方で、強硬な姿勢ばかりが目立つタリバン政権も一枚岩ではありません。例えば、外務副大臣は女性教育の再開を強く声をあげていて、閣僚の大半はこの声に賛同しているといいます。
ただ、こうした状況が続けば続くほど、私たちが取材したファティマさんのような優秀な人材の国外流出は避けられません。それは結果的にアフガニスタンの再建にも大きく影響してきます。
アフガニスタンの歴史や固有の文化、強硬派の意見をまとめながら、いま生きている国民のための統治ができるか。実権掌握から2年がたったいま、タリバンは大きな岐路に立たされています。
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