死者増え続けるマウイ 不明の親族探す姿も…山火事拡大の原因は「フラッシュ干ばつ」(2023年8月13日)

死者増え続けるマウイ 不明の親族探す姿も…山火事拡大の原因は「フラッシュ干ばつ」(2023年8月13日)

死者増え続けるマウイ 不明の親族探す姿も…山火事拡大の原因は「フラッシュ干ばつ」(2023年8月13日)

ハワイ・マウイ島の山火事。
すでに過去100年で最悪の死者数となっていますが、いまだ被害の全容は見えていません。
現地では行方不明になった家族や友人を捜す人の姿がありました。

▽行方不明の親族捜して…収容できない遺体も

(力石大輔記者)「いまヘリコプター2機で支援物資が教会に到着しました。ほんとに物が足りてないということでヘリコプターで支援物資を輸送しています」
支援物資は島外からも運び込まれていますがティッシュなどの生活必需品がまだ不足しているといいます。
(牧師 シャノン・モロッコさん)「ここが避難者のシェルターです」
現在350人ほどが身を寄せている避難所。火災から4日が経ち避難した人たちの疲労はピークに達しています。
(ハワイ州 グリーン知事)「死者数は増え続けています」
死者の数93人はアメリカ国内の山火事としては過去100年で最悪の被害ですが、いまだ1000人と連絡が取れない状況で、捜索も被災地域の3%しか進んでいないことから今後さらに増える可能性があるといいます。現地では、行方不明の家族や友人を探す人々の姿が…
(親戚家族が行方不明)「3日が経ちます。みんなが探しています。今は、この気持ちをなんと表現したらいいのか分からない、(心の)奥底でしか感じられない。」
捜索隊によれば、壊滅的な被害を受けたラハイナ地区にはまだ収容できていない遺体が多く残されているといいます。11日には、一時、住民の帰宅が認められました。
(自宅を失った住民)「なんと表現していいのかも分かりません。戦場のようです。何を感じたかもよく分からない。すべてを失ったけど、神様のおかげで命だけは助かりました。もう自分たちの命しか残っていません。」

▽「逃げる場所ない」火の手迫る緊迫の避難

11日に自宅に戻ることができたマウイ在住20年の山内良和さん。自宅は無事だったそうですが…
(マウイ在住20年の山岳ガイド 山内良和さん)「(自宅がある)カアナパリの一帯は電気がやっぱり来ていないということと、ラハイナにあった電波塔が全部倒れているので、通信が非常に難しいですね。この電話も通信がしづらい状態ですね。いま飲める水の状況じゃないんですよ。水は出るんですけど。ほとんど(消火に)使ってしまってので、だから今フィルターにかけてないので今の水は飲むなっていうのはラジオ放送でも言ってます」
これはラハイナの海沿いの通りを車で避難する人が撮影した映像。
「(車を出て)徒歩で逃げよう 」
「絶対いやだよ、(車を出たら)死んじゃうよ」
「車を出なきゃ、歩いていこう。どこかビーチ沿いに。」
火の粉が車に迫ります。
「車から出て何とかしないと」
「逃げる場所なんてないよ」
「車よ!車を捨てて逃げるの。逃げるのよ」
とっさに逃げ込んだのは海岸でした。沿岸警備隊はおよそ100人が海に飛び込んだと見ています。

▽NASAが捉えた被害の実態 被害拡大の原因は“フラッシュ干ばつ”

10日に撮影された、その海沿いの通りには…
焼け焦げた無数の車。炎を避けようとしたのか海沿いに連なるように停まっています。
こちらはNASA・アメリカ航空宇宙局が公開している世界中の火事の発生状況をモニターできるサイト。9日の時点で、ラハイナのほぼ全域、海岸沿いのおよそ7kmの通りで火災が広がっていたことがわかります。
被害を拡大させた強風。ハリケーン「ドーラ」がハワイ諸島の南を通過した影響で、風速35mを超える強風が吹いたという報告もあると地元消防局が発表しています。
マウイ島で発生した火災。発生した8日からの様子を確認すると、ラハイナだけでなく複数の場所で燃え広がっていたことがわかります。
さらに、火災がここまで広がった理由として指摘されているのが…「フラッシュ干ばつ」。
(三重大学 生物資源学部 立花義裕教授)「今回フラッシュ干ばつという現象が起こったのではというふうに思ってますね。非常に短時間に急速に地面・土壌の水分が逃げていって失われてカラッカラになる。急になる現象のことを近年“フラッシュ干ばつ”と呼ぶようになってきた」
短期間で急速に乾燥が進む「フラッシュ干ばつ」。長い期間かけて起こる通常の干ばつと違って、30日程度で突発的に発生するのが特徴だといいます。アメリカ海洋大気庁の干ばつデータをみると…5月にはマウイ島は通常の状態でしたが、今月に入ると急速に乾燥状態に。一部では「深刻な干ばつ」も進んでいたことがわかります。
(三重大学 生物資源学部 立花義裕教授)「このように急激に乾燥してしまったんで、後はきっかけさえ起きれば火災も起こり得る状況にあったわけですね。ハリケーンがもし無かったら、これほどの強い大きな火災にならなかったですね。ですからフラッシュ干ばつ+ハリケーンの2つだと思います」

8月13日『サンデーステーション』より (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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