フィリピン現地証言と“AI”使い…戦前の日本人移民の姿をカラー化(2023年8月12日)
終戦からまもなく78年です。語り部が少なくなるなか、フィリピンで苦難の歴史を生きた日本人移民の営みがAI(人工知能)によるカラー化でよみがえりました。
フィリピン・ダバオで、年に一度の日系人の総会が開かれました。
多くは、戦前フィリピンに移住した日本人の子孫で、最盛期、その数は3万人に上ったといいます。
しかし、日本軍の侵攻後、移民も憎悪の対象になり、抗日ゲリラに殺害された人もいました。
敗戦後、日本人街は破壊され、移民の歴史は長く知られることはありませんでした。
テレビ朝日では、戦前のフィリピンで撮られた日本人移民の写真を入手、カラー化して公開することにしました。
使うのは、AI=人工知能です。白黒写真を読み込むと、自動で色が付きます。しかし…。
東京大学大学院 渡邉英徳教授:「我々は麻の繊維が黄色っぽいと知っていますので、この辺りが赤くなっているのはおかしい」
AIが色を付けると…“オレンジ”と“緑”がベースになりました。
フィリピン現地で、当時を知る日系2世に見てもらうと…。
日系2世 寺岡カルロスさん(92):「(色が)違うんじゃないですか。これよりもっと細かいです」
今も残る民族衣装をみると、赤と黒が基調となっていることが分かりました。
フィリピンで集まった証言をもとに、一つずつ人の手で色を補正していきます。
東京大学大学院 渡邉英徳教授:「左の女の子は赤であろう、ということ。こうすると、印象が変わりますよね。元々は赤だったわけですよね」「AIがカラー化するという事実を介して、多くの人に広めていく。過去に起きたことの記憶を(未来に)伸ばしていく、ということに意義がある」
日系3世:「私たちは、日本とフィリピンの歴史の『証し』なんです。(過去が)“良い”とか“悪い”ではなく、歴史から目を背けてはいけない」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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