台風7号「非常に強い」勢力でお盆直撃 6年ぶり“江戸三大祭”懸念も(2023年8月11日)
「非常に強い勢力」となった台風7号は暴風域を伴いながら現在、小笠原諸島に最接近しています。お盆休み中の本州直撃が予想されるなか、遠く離れた首都圏でも影響がすでに広がっています。
■台風7号 小笠原諸島に最接近
台風は世界自然遺産の島で猛威を振るっています。東京から南におよそ1000キロ離れた小笠原諸島。2000人余りが暮らす父島は10日の夜、暴風域に入り、瞬間的に30メートルを超える風が吹きました。木々は暴れるように左右に揺れています。さらに…強風にあおられたためか、木が折れて道路に倒れ込んでいます。
強い風が吹き荒れ、雨は波を打つように道路を流れていきます。この24時間に100ミリ近い雨が降っています。これは平年8月、ひと月に降る雨のおよそ8割の量です。外を歩く人はもちろん、走っている車も見られません。島の至る所で通行止めも起きているようです。
観光客は宿で足止めを食らっていました。
観光客:「きのう海のツアーに一日参加する予定だったが、キャンセル。全く外に出られない状態だった。きのう、町で菓子やジュースを購入した」
美しい海は大荒れになりました。いつもは穏やかな父島のビーチ…。11日は白波が立ち、激しく海岸に押し寄せています。
■風速「65m超」の世界とは
日本の南の海上で発生した台風7号は「非常に強い」勢力で小笠原諸島を暴風域に巻き込み、北へ進んでいます。父島の北部の港を映したカメラには10日の夜、暴風域に入り、レンズは雨でびっしょりです。風は時間を追うごとに強くなり、カメラが揺れるほどに…。木々も激しく動いています。
今回の台風、最大瞬間風速は65メートルと予想されています。時速に換算すると234キロ。新幹線並みのスピードです。風速65メートルに近い風を2分間コンテナに当てた実験では窓ガラスは割れ、家具は宙に浮き上がり…外に吹き飛ばされました。
エメラルドグリーンの海が広がる小笠原のビーチ。国内有数のダイビングスポットとしても人気です。海を泳いでいるのはイルカの群れです。夏休み真っ盛り。観光は大きな打撃を受けていました。父島のツアー会社は…。
小笠原エコツーリズムリゾート 竹澤博隆さん:「きのうの夜中すぎくらいから部屋の中でも風の音を感じるくらい時折強く吹いていて、観光客は一切何もできない状態で民宿や避難所の中で過ごしている状態。朝から風も雨も強いので、海も陸もツアーは一切中止になっています」
11日に来る予定のツアー客は船が欠航し、キャンセルになりました。次の便は15日に予定されていますが、どうなるかは分かりません。
小笠原エコツーリズムリゾート 竹澤博隆さん:「今後、台風がゆっくり進んでしまうと、次の15日東京発のおがさわら丸にも影響が出る可能性があって、今、島に残されている客が帰る足がないっていうのと次の新規のお客様が来ることができないというところで、観光客・観光業の立場でもかなり厳しい状態になっている」
■暴風迫る八丈島 店は“品薄状態”
観光シーズンの台風接近に頭を抱えているのは八丈島も同じです。
空はまだ青空ですが、海は段々と荒れ始め、遊泳は禁止になりました。島にあるホテル。週明けの台風接近を見据え、11日から15日までのお盆シーズンのキャンセルが相次いでいます。
リードパークリゾート八丈島 歌川真哉支配人:「現時点で200室、400人くらい。1000万円分くらいキャンセルが出ている。1年の中で一番、客が多く単価が高い時期なので、非常に残念でショックを受けている」
さらに物資を運ぶ定期便も欠航になり、今後の食材の調達に不安を募らせます。
リードパークリゾート八丈島 歌川真哉支配人:「食材が入ってこない。ホテルもスーパーもそれを見越してたくさん冷凍食品などを入れているが、生鮮食品が入ってこないのでそれが大きい」
スーパーの商品棚はパンや生鮮食品を中心に品薄になりました。物資を運ぶ船が止まったからです。
買い物客:「何もないですね」「船が欠航になると、どの店もこういう状態になるので、前もってパンとか牛乳とか皆買っていく」
お盆の帰省ラッシュにも影響が出そうな台風7号。本州で雨風が強まりそうなのは14日午後から16日あたりとみられています。
■“書き入れ時”海水浴場は悲鳴
青空が広がり、大勢の海水浴客が訪れている湘南の海。すでに影響が出ています。
東京から来た海水浴客:「(Q.台風が近付いているのは?)知っている。きょうギリギリ遊べて楽しい」
台風前になんとか夏を楽しもうと駆け込み客が訪れています。
群馬から来た海水浴客:「14日に来る予定だったが(台風)直撃っぽいのできょうにした」
東京から来た海水浴客:「キャンプは日曜・月曜で行こうとしてたが、早めにキャンセルして行けなくなった」
夏休みの予定もズレズレです。海水浴客が水遊びをしているその脇では…。
海の家のスタッフ:「(Q.今やっているのは何の作業?)台風で看板が飛んでいくと思うので外している」「(Q.看板はあらかじめ外しておく?)雨が降ってきたら間に合わない。荒れる前に」
海の家はすでに看板を外すなどの対策が始まっていました。
アットビーチテラス 小路玲子オーナー:「まず看板類、装飾も下げて飛ばないように縛って中に入れる。子ども用プールも解体して中にしまう」
台風が過ぎればまた元に戻す作業が待っています。営業面でも影響が大きいといいます。台風がなければお盆の予約は満席でしたが…。
アットビーチテラス 小路玲子オーナー:「この土日3連休ですでにキャンセルが続出。今回の台風で考えたら100万円200万円くらい。予約分だけでもマイナスです」
■6年ぶり“江戸三大祭”懸念も
夏の祭りも、やきもきです。6年ぶりの開催となった江戸三大祭の一つ、深川八幡祭り。11日から15日まで行われます。週末に台風の予想が出ていますが、11日から水かけ祭りが始まりました。東京の気温は35.0℃。猛暑のなかを神輿(みこし)は富岡八幡宮を目指して進みます。見せ場は担ぎ手に水をかける、この豪快な水かけ。
台風の関東への影響は15日頃とみられますが、12日からすでに雨予報です。水かけ祭りだけに「雨天決行」。風や雷などの影響がない限り、現状、中止は考えていないといいます。ただ、こんな心配も…。
神輿総代連合会 山崎修会長:「片付けの時に雨でぬれたり風で事故が起きると心配。八幡さんに雨・台風、少しでも遅れるようにお願いします」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
コメントを書く