女性新人区議を「ブタ」と中傷 渋谷副区長が業務用チャットで…区「不適切な表現」【もっと知りたい!】(2023年8月8日)
東京・渋谷区の副区長が、100人以上の職員が閲覧できる業務用のチャットで、特定の女性区議を「ブタ」などと誹謗(ひぼう)中傷していたことが明らかになりました。
■「ブタ」「バカの集まり」副区長が書き込み
今年4月に初当選した渋谷区の新人区議・桑水流弓紀子氏は、悔しさをあらわに、こう話しました。
桑水流議員:「悲しみや腹立たしい気持ちで一睡もできませんでした。私が副区長によって精神的なダメージを負い、現在も苦しんでいるということは、ぜひ知っていただきたい」
問題になっているのは、渋谷区の澤田伸副区長が、区の職員100人以上が閲覧できる公用のチャットサービスで行った桑水流区議を揶揄(やゆ)する書き込みです。
桑水流区議を「ブタ」呼ばわりしたほか、「早めに封じておかないとね」と、圧力を掛けるような書き込み。黒塗りとなっている部分には、非公表の桑水流区議の自宅住所も書き込まれていたというのです。
さらに、桑水流区議が所属する委員会については「バカの集まりになってますな!」と書き込まれています。副区長の書き込みに、「相手をするのも大変です!」と応じた区の幹部もいました。
桑水流議員:「ブタと言ったり中傷・侮辱していると感じている。私が公表していない住所を書いて『早く封じなければ』と言っていることも、かなり恐怖を感じている」
副区長が新人区議を目を疑うような表現で誹謗中傷した今回の事態。街の人は、どう感じているのでしょうか?
20代:「今の時代、許容されないことだと強く思う」
30代:「ひどいなと思います」「(Q.そういう上司がいたら?)さすがに続けていけない」
50代:「ブタなんて言えないです。相手のことは言えない、男性女性限らず。相手を尊重しないといけない」
■内部告発認めるも…本人に直接謝罪はまだ
副区長の書き込みが明るみに出たのは、3日のこと。複数の区議に対し、郵便による内部告発があったといいます。
告発した人物は渋谷区の職員を名乗り、こんなメッセージも添えていたといいます。
内部告発した人物:「このような書き込みが、多くの職員の目に触れるところに平然と書き込まれ、尋常ではありません。今の時代にこのようなブラック行政庁は、日本全国ほかに存在しないと思います」
奇しくも渋谷区は、男女平等や多様性を尊重する社会を推進する条例を施行するなど、先進的な区として知られています。
そのナンバー2である澤田副区長は、長谷部健区長と同じ広告大手「博報堂」出身。東京23区で初めて民間から副区長に登用された人物です。
桑水流議員:「私は4月に当選したばかりの新人の議員です。副区長とは、あいさつ以外に会話をしたことはありません。副区長に対しては民間出身のスピード感と決断力のある姿勢を尊敬していただけに、今回の出来事はとても残念で澤田伸副区長には失望しました」
区によりますと、澤田副区長は内部告発の内容を認めていますが、区議本人に対しては、まだ直接謝罪していないということです。
■「容姿揶揄が目的ではない」区が釈明
しかし、なぜ副区長は、面識のほとんどない新人議員を中傷するような書き込みをしたのでしょうか?
桑水流議員:「一般質問においても区民の声を無視したような進め方をしているのではと切り込んだ。今回、私のことを中傷している背景に、樹木の伐採に反対する声や神南宇田川町の計画に関して、追及されると困ることがあるんじゃないかと考えてしまう」
渋谷駅周辺に地上34階建てのビルを建設し、商業の中心地区に位置付ける新たな再開発計画。桑水流区議は、議会で渋谷区が推進する、こうした都市計画について追及したことが癇(しゃく)に障ったのではないかと推測しています。
一方、渋谷区は「容姿を揶揄することが目的ではなかった。会派の皆様と渋谷区の行政の方向性がご理解いただけない局面があって、一連の報告が職員からあり、理解いただけない中で、事実と認識が違うと区が感じる意見が多々ある中で、今回の不適切な表現があった」
桑水流区議や所属する会派は、他の区議や区職員に対しても同様の被害があり得るとして、区に調査委員会の設置など再発防止策を求めています。
(「グッド!モーニング」2023年8月8日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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