花火・夏祭り 開催ピークに 「有料席」導入広がる“事情”(2023年8月6日)

花火・夏祭り 開催ピークに 「有料席」導入広がる“事情”(2023年8月6日)

花火・夏祭り 開催ピークに 「有料席」導入広がる“事情”(2023年8月6日)

 夏祭りや花火大会がピークを迎えるなか、4年ぶりの通常開催で「有料席」を導入する動きが広がっています。コロナ前は無料だったイベントが有料になった事情を取材しました。

■花火・夏祭り 開催ピークに

 夜空を彩る大輪の花。例年23万人が殺到する、群馬県の「いせさき花火大会」。6日7時すぎから1万発の花火が打ち上がります。

 開始5時間前、準備に追われる花火師。周辺は場所取りのシートで埋め尽くされていました。

 60代:「母が93歳になる。毎年楽しみにしていたので、今年はぜひ見せてあげたい」

■「有料席」導入広がる“事情”

 一方で、いつもとは違った光景も。伊勢崎市は、これまでは無料だった広場での観覧を今年初めて有料化しました。1席あたり、およそ4000円です。

 有料席賛成:「暑いじゃないですか、待っているのが。あそこ(有料席)で見るのがきれいなんですよ、正面で。お金を出してでも正面できれいな花火を見たい」
 有料席反対:「ちょっと高いかな~って。無料のところがいいかなと」

 有料席を巡って賛否は真っ二つですが、背景には切実な事情がありました。

 伊勢崎市文化観光課 田部井恵美子課長:「今までと同様の規模の花火大会の開催はなかなか難しくなってきていると実感しています。花火代が昨年度と比べると6%増になっています。警備額については昨年度よりも45%増」

 花火に使う火薬や警備費などの高騰で、運営費は去年より200万円増えたといいます。

 伊勢崎市文化観光課 田部井恵美子課長:「経費が上がったところを補う形で有料観覧席と」

 3270人分の有料席が完売した場合、単純計算で1200万以上の収益が見込まれます。帝国データバンクの調査では、この夏行われる全国106の花火大会のうち、およそ7割で有料席を設けることが分かりました。

 5日、開催された小田原酒匂川花火大会には、日本一高い有料席が登場。なんと、ベッドで花火が見られます。2人で30万円かかりますが、完売したそうです。

 各地で運営費の捻出に試行錯誤が続いています。

 柏商工会議所 中小企業相談所 橋本理知所長:「一番大きなものは警備費にかかるもの。4年前は600万円程度の予算で済んだが、今は倍の1200万円」

 去年より500万円以上の負担となった千葉県の「手賀沼花火大会」。クラウドファンディングを取り入れて、実施のめどがつきました。

 柏商工会議所 中小企業相談所 橋本理知所長:「目標額が150万円だったが、900万円を超える協力をもらって大きな力になっています」

 苦渋の決断をした自治体もあります。千葉県の「おんじゅく花火大会」は、地元企業からの協賛金が得られず、今年の開催を取りやめました。

 中止か継続か。夏の風物詩は今、岐路に立たされています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事