日大アメフト部の寮に“違法薬物” 組織刷新から変革の最中に…「それはもう悔しいです」【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG
警視庁は3日、日本大学アメリカンフットボール部員寮に覚醒剤取締法違反と大麻取締法違反の疑いで家宅捜索に入りました。なぜ、このタイミングでの家宅捜索となったのか、今後の捜査のポイントについて専門家とみていきます。
■日大アメフト部寮を家宅捜索
井上貴博キャスター:
日大のイメージを回復させていこう、改革していこう、と進めている中での事件となってしまいました。関係者の方も落胆が深いかと思います。
8月3日、アメリカンフットボール部の寮の家宅捜索が行われました。覚醒剤取締法違反と大麻取締法違反の2つの疑いによる家宅捜索でした。7月上旬、大学側が寮の内部から錠剤と植物片を発見。7月19日ごろ、警視庁が押収し鑑定を進めていました。
押収した▼錠剤には覚醒剤の成分が含まれ、▼植物片は乾燥大麻とみられることがわかり、家宅捜索に踏み切った形です。
■なぜ錠剤と植物片を発見できたのか?家宅捜索のタイミングは?
もう少しさかのぼりますと、情報提供が元になっています。
7月上旬、日大に対し「部員が寮内で大麻を吸っている」という情報提供があり、この話が続いていくわけです。
8月2日、取材に応じた林真理子理事長は…「それはもう悔しいです。(就任当時に)新体制になったので、思う存分、力を奮ってくださいと言ったのですが、それが通じていなかったと思うのは本当に残念ですね」
そして警察の家宅捜索のタイミングについて、元埼玉県警刑事の佐々木成三さんは、「警察は聴き取りなどから慎重に捜査を進めていたが、報道などが出たことで証拠隠滅を防ぐためこのタイミングになったのではないか」「発見された場所が個人の部屋か共用スペースかで逮捕者の数は大きく変わる。共用スペースなら共同所有となり、かなり多くの逮捕者が出る可能性もある」と指摘しています。
■日大をめぐる不祥事
日本大学アメリカンフットボール部といえば、2018年、“悪質タックル”問題が大きく報道がなされました。このときはコーチ、監督などが解雇されました。大学のガバナンス不全も浮き彫りになって、部活だけの問題ではなく日大グループ全体としての問題が浮き彫りになりました。
話が進んだのは、そのとき理事長を務めていた田中英寿さんが2021年11月、約5200万円の脱税容疑で逮捕されました。辞任、そして有罪判決を受けています。
その後、理事長のポストに就いたのが林真理子さんで、2022年7月に理事長就任。“田中体制”との決別、組織刷新を宣言してこれから改革していこうという最中だったわけです。
■日大林真理子理事長で何が変わった?
どんなことを行っていたのか。例えば、「理事会メンバー」は1889年の創立以来、全て男性が占めていたところ、林理事長が就任後は24人中、女性を8人入れました。(2023年5月時点)
そして2023年4月、理事長のメッセージとして「理事・評議員を含め外部人材を登用する」ということで、改革を始めていたわけです。
就任から1年経った7月、「(イメージ回復への改革は)まだ6合目だ」と林理事長は話します。▼組織の透明性を高めていく必要がある、▼日大生がプライドを持てるようにしたいと意気込んでいた中での今回の事件となったわけです。
スポーツ心理学者(博士)田中ウルヴェ京さん:
推察の域を出ないことがたくさんあると思いますが、大きく課題を2つに分けなければいけないなと思っています。
1つは「大学のガバナンス不全」ということが過去にあった。そして今、変革の最中である。“どこまでが変革ができていて、どこがまだ難しいのか”ということよりも、今回の事実だけを3日に出た段階で考えてみると、錠剤と植物片のようなものが出てきた。ただ誰が使ったのか、どのように使っていたのか、あるいは使う目的ではなかったのか、そこもまだわかっていない。
そしてもう1つ大事なことは、なぜそれがあったのか、どういう目的だったのか、もしメンタルヘルスとか心の問題というところが紐づくのであれば、そのこと自体でも様々な要因がありますので、まずは1つ1つしっかり事実を見たいなとは思っています。
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