心血管や呼吸器の疾患も増…熱帯夜に注意 北日本で“高リスク”なぜ?(2023年8月2日)

心血管や呼吸器の疾患も増…熱帯夜に注意 北日本で“高リスク”なぜ?(2023年8月2日)

心血管や呼吸器の疾患も増…熱帯夜に注意 北日本で“高リスク”なぜ?(2023年8月2日)

気の抜けない夜の暑さ。

あまりの暑さに、依頼が殺到しているのがエアコンです。
買い替える住民:「夜は扇風機で済んでいたけど、去年、今年は耐えられない」

栄電気・沼澤栄一社長:「お年寄りで一人暮らしの方が、エアコンが壊れて、我慢していた。遠方に住んでいる子どもたちに説得されて、入れ替えたケースもありました」

夜間や休日の救急往診を行う『ファストドクター』では、先月、熱中症で診察を受けた人が約350人。去年に比べて、20倍に増えたということです。60代の男性は、持病のため水分を控える傾向にあり、熱中症の症状が出ていました。

東京・練馬区にある高齢者施設では、入居者がどれだけ水分を摂取したかなどを入念に確認しています。さらに、エアコンの温度管理や、夜間の見回りなどに力を入れているといいます。
しゃくじい台翔裕館・山地成施設長:「高齢者の皆さまは、ご自身で体温調節が難しいので、汗が出ないと寒いと感じてしまう。冷房の風の寒さで洋服を着こんでしまう場合がある。私たちがお部屋に行ったとき、暑さ、室温、水分量を見て、皆さんの衣類で調節。洋服を着ていると熱がこもるので、開放するようにしている」

◆熱帯夜が死亡リスクを高めることを最新の研究で明らかになっています。

国立環境研究所と筑波大などの研究チームは、「熱帯夜で、健康に問題が生じやすくなる」として、43年間の全国約2500万人の死因と熱帯夜の関係性を分析しました。

研究の結果、熱帯夜になると、そうでないときに比べて、死亡リスクが約10%高くなることがわかりました。

疾患別に見ていきます。
●心血管疾患(心筋梗塞・狭心症など)が1.17倍
●呼吸器疾患(肺炎・ぜんそくなど)が1.09倍
●腎疾患が1.08倍

研究に参加した国立環境研究所の岡和孝主幹研究員は、夜間に大量の汗をかき、脱水状態になることで血液が濃くなって血栓の要因になる。また、脱水状態になることで腎臓への血液の量が減って、腎機能が低下する。

肺機能が低下していると、暑さで心臓への負担が増えることが考えられるとしています。

一方で意外なデータも研究から見えてきました。熱帯夜になったときの死亡リスクを県別に見てみます。

◆北海道 5.90倍
◆青森  2.76倍 
◆山形  1.81倍 
◆東京  1.10倍

過去10年平均の熱帯夜の日数は、東京が年に26.5日、一方、札幌は、0.7日でした。北海道や東北は熱帯夜が少ないのですが、熱帯夜になったときは、死亡リスクに大きな影響があるということです。

岡さんによりますと、「北日本の人は、暑い気温に慣れていない。日頃から暑さに慣れているかがリスクを左右する。大きな要因として、エアコンの導入率によってリスクに違いが出ている」としています。

総務省によりますと、北海道のエアコン普及率は25.7%だといいます。(2014年のデータ)

熱帯夜の死亡リスクを下げるための対策としては、エアコンをつけっぱなしにして、室温を28度に保つこと。遮光カーテンやよしずなどで、昼間の熱をさえぎること。寝る前など水をこまめに飲むことが重要です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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