「スタートにすぎない」自由ロシア軍団幹部に聞く ロシア首都“ドローン攻撃”相次ぐ(2023年8月1日)

「スタートにすぎない」自由ロシア軍団幹部に聞く ロシア首都“ドローン攻撃”相次ぐ(2023年8月1日)

「スタートにすぎない」自由ロシア軍団幹部に聞く ロシア首都“ドローン攻撃”相次ぐ(2023年8月1日)

ロシアのビジネス街モスクワシティで、1日にドローン攻撃が行われ、高層ビルに被害が出ました。ここは、2日前にもドローンが飛来したばかりです。一体誰が、何の目的で攻撃を行っているのでしょうか。

街の人:「(Q.怖くはない)全然怖くないです」「恐怖は感じません。(Q.なぜですか)今来て、状況を知ったばかりですから」

ただ、思うところがある人も…。

街の人:「前回の攻撃後、誰もが『同じ場所は攻撃されない』と言っていた。きょう皆目を覚まし、ショックを受けた。まだ分からないが、引っ越そうと思う」

モスクワを狙ったドローン攻撃は、9日間で4回目です。

ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「戦争は徐々にロシアの領土、その中心地や軍事基地に戻りつつある」

攻撃がウクライナ軍によるものなのか、ロシア国内のパルチザンによるものなのか、現時点では分かっていません。今回の攻撃を主導しているかもしれない、ロシアのパルチザン『自由ロシア軍団』の幹部、イリヤ・ポノマリョフ氏の姿が日本にありました。『自由ロシア軍団』は約2カ月前、ロシアのベルゴロド州に、攻撃を仕掛けた部隊の一つです。

ポノマリョフ氏:「ゼレンスキー大統領は、戦争がロシアに戻ると話しています。プーチンが投げたブーメランは戻り、痛い思いをさせています。まだスタートにすぎません。これからもっと増えるでしょう」

反プーチンを掲げ、ロシア領内に攻撃をしかけた、自由ロシア軍団。あれから2カ月ほどが経ち、変化も出ているようです。

ポノマリョフ氏:「確かに自由ロシア軍団は大きくなっていっています。入隊申請も増えています。(ロシア国内への)攻撃までは、入隊申請は一月500件でしたが、現在は1000件に増えています。

モスクワで相次ぐドローン攻撃については、関与を明言しませんでした。

ポノマリョフ氏:「『誰が』については、コメントできません。知ってはいますが、できません」

ただ、攻撃の目的について、こう指摘しました。

ポノマリョフ氏:「心理戦が重要な要素になっています。プーチン政権が持つ強さの一つは“無敵だという自信”なのです。『制裁で大変で、孤立しているが安全だ』と彼らは信じています。その“安全”を破壊することは、非常に重要です」

2度の攻撃を受けたのは、ロシアの占領地域を統括する省庁などが入るビル。“越境攻撃”と同じく、ロシアの人々に侵攻を認識させる目的があるといいます。

ウクライナ政府は正式に認めてはいませんが「自分たちはウクライナの外国人部隊」としている自由ロシア軍団。今後の反転攻勢については、こう話しました。

ポノマリョフ氏:「今月は新たな作戦を準備しています。これまでより大規模になるでしょう。反転攻勢が続いていますが、つい最近、新たな段階が始まりました。もう少しすれば結果が出ると、個人的に思っています」

■“経済の象徴”標的の背景

防衛省防衛研究所・高橋杉雄さんに聞きました。

(Q.ロシアのビジネス界の象徴的な場所が攻撃された影響は)

高橋さん:「心理的なインパクトなどを考えて、プーチン体制の繁栄を象徴する場所を攻撃したのだろう。モスクワシティへの攻撃が、ロシア国内でどれぐらいのニュースになるかを計算し、ロシア国民に戦争の恐怖を認識させて、世論に影響を与えたいのでは」

(Q.この攻撃には、ロシア国内の反政府組織が関与しているという見方もありますが)

高橋さん:「国際社会への配慮から、ウクライナ軍ができないロシア国内への攻撃を実行できるメリットがある。仮に捕まっても『ウクライナ人ではない』と言い訳できる」

ドローン攻撃について、ロシア大統領府のペスコフ報道官は31日に「ウクライナの言う“反転攻勢”はうまくいっていない。その失敗が、ウクライナをテロ攻撃に駆り立てているのだ」とコメント。ウクライナ側の“苦肉の策”だと主張しています。

(Q.ロシア国内への相次ぐ攻撃は、今後の戦況に影響を与えることはありますか)

高橋さん:「ロシア国内を攻撃することで、国内の防衛に兵力を割かせ、前線のロシア軍の兵力を減らす効果が期待できる。しかし、現在の反転攻勢にすぐ効果が出るというより、積み重ねによってジワジワと今後の戦況に影響を及ぼす可能性がある」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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