ビッグモーター “枯れた街路樹”めぐり各地で調査 グーグル写真に“除草剤容器”か【もっと知りたい!】(2023年7月27日)

ビッグモーター “枯れた街路樹”めぐり各地で調査 グーグル写真に“除草剤容器”か【もっと知りたい!】(2023年7月27日)

ビッグモーター “枯れた街路樹”めぐり各地で調査 グーグル写真に“除草剤容器”か【もっと知りたい!】(2023年7月27日)

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 ビッグモーターの不正請求問題で26日、新社長が国土交通省から聴取を受けました。店舗前の街路樹が枯れている問題でも、全国各地で行政による調査が始まっています。

■国交省の聴取後…新社長「理解は得られた」

 ビッグモーターの和泉伸二新社長(54)は26日、およそ2時間にわたり国交省による聴取に応じました。

 和泉新社長:「大変お騒がせをしておりまして、誠に申し訳ございません」

 焦点は、「保険金の不正請求」が依頼を受けていない整備による料金請求を禁じた道路運送車両法違反にあたるかどうかです。

 違反の疑いが強まれば、国交省は整備工場に立ち入り検査をする方針で、民間車検場の指定取り消しや事業停止などの処分が下る可能性がありますが…。

 和泉新社長:「本日は先の特別調査報告書について、様々ヒアリングは受けましたが、その内容については、きょうのコメントは控えさせていただきます」「(Q.内容は言えないということのなかで、説明は十分果たせたのか?)私どもはそう理解しています」

■“枯れた街路樹”各地で調査 専門家と現場へ

 26日、神奈川県平塚市内のビッグモーター前では、男性が切られた木のもとにやってきて、メジャーのようなもので切り株の大きさを計っていました。

 なぜか、店舗前で“枯れている街路樹”。神奈川県は26日から、県内に20店あるビッグモーター前の街路樹の調査を開始しました。

 平塚土木事務所 道路維持課長:「様々なニュースなどの報道を踏まえまして、神奈川県が管理する道路にビッグモーターが面している箇所の街路樹を調査するということで、本日調査をしております」

 さいたま市にあるビッグモーターの店舗前を見てみると、街路樹がなく、木が切られてしまっていることが分かります。

 取材班は、専門家と現場へ向かいました。

 樹木医 みずほさん:「同じエリアは、同じ気象の影響を受けるわけですから、ここだけ局所的に(枯れる)というのは珍しい」

 不自然に草木が枯れている様子から、除草剤がまかれた可能性を指摘します。

 みずほさん:「不自然だと思います」「(Q.除草剤がまかれた時の特徴は?)全体的に(枯れる)とか、そういう枯れ方ではなくて、局所的な枯れ方をする」「(Q.この現場に(除草剤をまかれた)可能性は?)可能性としてはあると思います」

■グーグル写真に除草剤容器か 実態は?

 名古屋市は、緊急の土壌調査を検討しているといいます。

 名古屋市にあるビッグモーターの店舗前を見てみると、周りの街路樹は青々と生い茂っていますが、店舗の前だけ木がなくなっています。

 大阪市も調査を開始しています。市などによると、街路樹が突然枯れてきたため、2019年に木の撤去作業を実施。2020年と2021年に木の植え直しを行おうとしたところ、ビッグモーター側から反対されて植栽できない状態だったといいます。

 元従業員に除草剤使用の実態を聞いてみました。

 元従業員:「営業は必ずどこの店舗でも(除草剤を)まくように指示されている」

 2017年に撮影された大阪府貝塚市の店舗前では、街路樹付近で作業している姿が残されていました。

 元従業員:「オレンジ色のジャンバーは営業スタッフが着ているジャンバー」「(Q.あれはビッグモーターの人?)そうですね、間違いないですね」

 先月に撮影された福島県郡山市では、掃除道具の横にオレンジ色の容器が置かれていました。

 元従業員:「基本的にすべて敷地内の周りとか、すべて除草剤かけて刈れという話は聞いている。(除草剤は)オレンジ色の物が多かったと思います」

 街路樹に除草剤をまいた可能性について、和泉新社長は次のように話しました。

 和泉新社長:「ちょっと甘い認識で“除草剤”をまいてしまって。影響を与えてしまったということはあると思います。10年ぐらい前の話だと思うんですけども」

 元従業員:「(Q.(除草作業を)見たのは今年に入ってから?)もちろんですね。今年の1月21日からだったので」

■改革の第一弾…新社長「縛るツールやめた」

 「改革の第一弾」として、すべての店舗でLINEの使用を停止し、社用携帯からアカウントを削除するよう指示を出していた和泉新社長。その目的については、次のように話しました。

 和泉新社長:「聞けば100個くらいのグループLINEが作成されているということで、そういう縛るようなツールは使いたくないなということで、いったん全部やめました」

 上司からの指示や連絡だけではなく、厳しいノルマもLINEを通じて出されていました。報道陣から「証拠隠滅にならないか?」と問われると、こう答えました。

 和泉新社長:「そこのご指摘は、おっしゃる通りで。ただスピード感を持って始めたかったので、確かにおっしゃる通りで。今後 いろいろ調査していく中で、LINEの中でのいろんな不正の確認だったりとか、証拠になりうるものがあれば、該当する社員の方は記録として残っているでしょうから、必ず保存はしていると思いますので」「(Q.過去の履歴が出てきたことへの対策では?)全く違います」「(Q.隠そうとする意思は?)ありません」

 しかし、現役社員は次のように話します。

 現役社員:「不正した事実を隠そうとしているんじゃないかとは心のどこかで思いましたね」

■会見で涙…和泉新社長は“スピード出世”

 和泉新社長:「お客様との長年かけて信頼関係を構築してくれた素晴らしい社員がいます」

 謝罪会見では涙も見せた和泉新社長。会社のホームページによると、和泉新社長は23歳で入社後、わずか2年半ほどで店長に昇進。14年目には、37歳で専務に就任するほどのスピード出世です。

 元工場長:「営業の方たちは当時は専務だったので、その方たちは『専務がいる限りは会社続ける』とか、『専務のためにやっている』とかの話は聞いたことありますね」

 現役社員:「実際に言われたのは数字が悪い中でも、店長任されているということは会社からの期待だから、それに応えられるようにスタッフ一丸となってみんな頑張っていこうな、みたいな声は掛けられました」

■新問題“調査改ざん” 新社長「初めて知った」

 新体制となったビッグモーターですが、社内は異様な雰囲気に包まれているといいます。

 元工場長:「結局“ゴルフボール”の当事者も社内で完全に特定された。(兼重)前社長も『刑事告訴を視野に入れている』、前社長自身も分かっていたんでしょうね。マスコミに出ている元社員とか現役の店長も出てましたけど、“犯人”を探すということはやっているみたいなので。そういったことをやる前に何度も言うんですけど、やることはあるんじゃないかと思う」

 ビッグモーターによると、謝罪会見後から26日にかけて6人が退職したということです。

 そんななか、新たな問題が起きました。去年1月ごろ、内部告発によって不正が指摘された際、ビッグモーターは損保会社3社に調査の報告書を提出しました。

 調査で従業員は「工場長から指示はあった」と回答したにもかかわらず、報告書では「指示はなかった」と改ざん。不正を隠蔽(いんぺい)していたことが分かりました。

 和泉新社長:「驚いています。私も初めて知った。そこに関しては、これから調査をしてまいります」「(Q.内容の書き換えは上席でないと指示出せないのでは?)その可能性は高いと思う。隠蔽があれば、きちんと厳正にさかのぼって対処していかないといけない」

 この隠蔽を巡っては、損保ジャパンが不正の可能性を把握していましたが、問題ないと判断していたことも分かりました。

 損保ジャパンは「認識が甘く反省している」として、社外弁護士による調査委員会で検証する方針です。

(「グッド!モーニング」2023年7月27日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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