学校近くに「サギ」4000羽…取材で見えた異常発生の背景 鳴き声や悪臭に困惑も タイ(2023年7月19日)

学校近くに「サギ」4000羽…取材で見えた異常発生の背景 鳴き声や悪臭に困惑も タイ(2023年7月19日)

学校近くに「サギ」4000羽…取材で見えた異常発生の背景 鳴き声や悪臭に困惑も タイ(2023年7月19日)

 タイのとある学校近くでサギが異常発生し、その数はなんと4000羽も存在しているという。現地を取材すると、異常発生の背景が見えてきた。

■サギ異常発生 気候変動の影響か

 タイの首都・バンコクから北東におよそ250キロ離れたナコンラチャシマ県は、260万人が暮らす米の生産が盛んな地域だ。この地域にある学校が、動物の異常発生に頭を悩ませている。

 学校周辺の林にいる無数の白い鳥は、すべてサギだという。サギはアフリカやアジアなどに広く分布し、日本でも多くの地域に生息している。水辺でエサを探し、木の上に巣を作るという。

 異常発生している林の中に入っていくと、サギが多くの巣を作っていた。

 今年3月ごろ、この林にやってきたというが、繁殖期に入り、多くのヒナがかえるなどその数は増え続け、現在はおよそ4000羽に上るという。

 近隣の学校の生徒:「鳴き声がとてもうるさい。悪臭もする」

 近隣の学校の教師:「ハエがたくさん来て、子どもたちに感染症を広げないか心配です」

 用務員のティンクラトックさんは、近くの学校で異常発生したサギを追い払う任務にあたっている。その方法を見せてもらった。

 大きな音を出し、追い払おうと試みるが、サギにはほとんど効果がないようだ。

 さらに煙で追いやったり、高圧放水もしているが、大きな効果は出ていないという。

 では、なぜこの場所にたくさんのサギが集まるようになったのか。

 実は今年、タイは干ばつに見舞われ、サギが餌(えさ)を取る水場が減っている。そのため、普段は来ない学校の近くにある池まで来たというのだ。

 タイ鳥類保護協会・ケムトン博士:「ある程度、安全な場所で水場の周辺に巣作りできるような大きな木があることで、このような問題が起きている」

 サギの異常発生の裏に今、叫ばれる気候変動問題が大きく関係しているという。

■エアコン増加 温暖化を悪化させる可能性も

 5月17日、WMO=世界気象機関は「2027年までの平均気温が産業革命(18世紀半ば~19世紀)前の水準より1.5℃以上高くなる可能性が66%ある」と発表した。

 この可能性の数字は2015年までは「ほぼゼロ%」、2021年までは「10%」とされていたが、この1~2年で急激に跳ね上がったことになる。

 この状況を受けて、WMOのターラス事務局長は「健康、食糧安全保障、水管理、環境に広範囲に影響を与える。備えが必要だ」と世界に向けて警告した。

 また、同じ日にブルームバーグは、「今後10年のうちに、全世界で、特に中国やインド、フィリピンやインドネシアなどの人口密度の高い地域で、10億台規模でエアコンが増加する」と伝えた。また「多くの人々や経済にとってはいいことだが、地球温暖化問題は疑いなく悪化する」と警鐘を鳴らした。

 こうしたなか、関係改善を図るアメリカと中国が17日、気候変動問題を巡り対話を再開した。ほぼ1年ぶりに再開したことになる。

 アメリカのケリー大統領特使は会談後、「気候危機は世界の2大経済大国が協力して、地球温暖化を抑制することを求めている」とツイッターに投稿し、緊急に対処しなければならないと強調した。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年7月19日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事