妻子殺害事件 逮捕のブラジル人夫“引渡し”の壁(2023年7月15日)

妻子殺害事件 逮捕のブラジル人夫“引渡し”の壁(2023年7月15日)

妻子殺害事件 逮捕のブラジル人夫“引渡し”の壁(2023年7月15日)

去年8月、大阪・堺市のマンションで妻と娘を殺害した容疑で国際手配されていたブラジル国籍のバルボサ容疑者が、14日、逃亡していたブラジルで現地警察により逮捕されました。国外に逃亡した外国人犯罪者がどのように逮捕され、その後、どう裁かれていくのでしょうか。

板倉)
国外逃亡した場合の流れは大きく2つあります。まず相手国と犯罪人引き渡し条約がある場合は、現地の警察が犯罪者を逮捕すれば日本側に引き渡されて日本で裁判をかけることができます。しかし、日本がこの条約を結んでいるのはアメリカと韓国のみです。その両国について、アメリカは69か国と、韓国は25か国と結んでいます。では今回のブラジルのように日本が条約を結んでいない場合で、国際刑事警察機構・ICPOを通して捜査を依頼して、これを受けて今回ブラジル警察が動いて逮捕に至ったということになります。

高島)
気になるのは、この引き渡し条約のないブラジルで、この容疑者がどのように扱われるかというところですよね。

板倉)
その点について国際法に詳しい土屋眞一弁護士にうかがいました。土屋さんは“自国民保護”という観点から日本に引き渡される可能性は少ないだろうと。今後は「代理処罰」制度によってブラジルの警察が捜査して、ブラジルの裁判所・法律で裁かれることになるだろうとおっしゃってます。

高島)
柳澤さん、この犯罪人引き渡し条約、日本はアメリカと韓国のみ。この2国のみというのはなぜなんでしょうか?

柳澤氏)
日本の死刑制度、これが背景にあると言われているんですよね。世界の流れというのは、いま死刑をなくす方向に舵を切ってるんですけれども、その理由というのは、もし、えん罪であった場合に取り返しがつかない。それから死刑があるからといって必ずしも犯罪の抑止につながってないということなんですよね。韓国の場合も、実は死刑制度はあるんです、でも過去20年以上死刑執行されていない。アメリカの場合は大体20から25くらいの州が死刑制度はあるんですけれどもこれもモラトリアム(猶予期間)ということで、執行が少ないということなんですよね。ですから、そういう中で日本が「2国間で犯罪人引き渡し条約を結びたい」と他の国に言っても「日本は死刑制度があるから」と、なかなか応じてもらえないという背景があるんですね。

サタデーステーション 7月15日OA
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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