【九州大雨】被災地は炎天下 患者救った“垂直避難” 「ベッドのまま2階へ」(2023年7月13日)

【九州大雨】被災地は炎天下 患者救った“垂直避難” 「ベッドのまま2階へ」(2023年7月13日)

【九州大雨】被災地は炎天下 患者救った“垂直避難” 「ベッドのまま2階へ」(2023年7月13日)

 九州を襲った大雨についてです。福岡県久留米市の病院では次々に流れ込む水に対し、入院患者を2階に上げる「垂直避難」が行われていたことが分かりました。患者の命を救った職員のとっさの判断とは。

■“九州大雨”被災地は炎天下

 久留米市田主丸町。13日は流れ込んだ土砂などをスコップでかき出す住民らの姿が多く見られました。午前11時の時点で真夏日に迫る暑さ。大雨の被災地に熱中症の注意の呼び掛けが行われています。

 復旧に向けたボランティア活動の受け付けも始まっています。久留米市内では一部で「緊急安全確保」が出され、土石流に巻き込まれた住民が亡くなるなど大きな被害を受けました。

■患者救った「垂直避難」証言

 地域の災害拠点病院で筑後地方の主要な医療機関である「田主丸中央病院」。近くを流れる巨瀬川が氾濫し、1階ではひざの高さほどまで浸水していました。

 自治体が公表した最新のハザードマップによりますと、住宅や田畑などが点在するエリアに立地する病院は50センチから3メートル未満の浸水想定区域に入っています。

 田主丸中央病院・石飛隆敏PFM事務長:「ベッドのまま移動して2階の方へ。(病院に)近寄れないのでスタッフも集まっていなかった。院内にいるスタッフで一生懸命に急いで(2階に)上げた」

 病院関係者によりますと、当時、職員は朝から道路が冠水して出勤ができない状態で、病棟1階にいた約50人の入院患者は夜勤の担当者ら二十数人で誘導し、2階へ垂直避難したと言います。現在は電気と水道は復旧したものの、1階フロアには外来や検査室があり、CT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴断層撮影装置)など高額な検査機器は水につかり、ほぼ全滅だということです。

■停電直前の1時間で「垂直避難」

 そうした状況でも川から水が押し寄せるなか多数の患者を少数の職員で迅速に避難させ、けが人を出さなかったことには安堵(あんど)していました。電源が有効なわずかな時間を活用できたそうです。

 田主丸中央病院・石飛隆敏PFM事務長:「電源が落ちる、停電になる前に1、2時間で全患者を2階以上に移動できたのは非常に初期の対応としては重要であり、迅速な対応が(病院に)いるスタッフのなかでやれたのはものすごく大きい」

 また、今回の浸水被害については「想定を超えた豪雨だった」と明かし、これからの避難対応などにさらに生かしたいと言います。

 田主丸中央病院・石飛隆敏PFM事務長:「今回のような想像を超えるような災害になりますと、基本的なマニュアルを頭の中に入れながら目の前の状況に応じた柔軟な判断と対応が重要だと」

 病院側は休止している外来診療について消毒やパソコン復旧作業などを急ぎ、来週早々にも再開を目指したい考えです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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