「撮影罪」きょう施行 盗撮撲滅へ 現役CA語る“被害”「アスリートも対象に」求める声(2023年7月13日)

「撮影罪」きょう施行 盗撮撲滅へ 現役CA語る“被害”「アスリートも対象に」求める声(2023年7月13日)

「撮影罪」きょう施行 盗撮撲滅へ 現役CA語る“被害”「アスリートも対象に」求める声(2023年7月13日)

 航空機内での盗撮行為などを取り締まる「撮影罪」が13日に施行されました。テレビ朝日の取材に現役の客室乗務員が応じ、被害の実態を明かしました。

■現役CA「下半身を何枚か撮られ」

 大手航空会社に勤める客室乗務員は勤務中に盗撮され、同僚が気付きました。

 盗撮被害に遭った客室乗務員:「びっくりしました、『あ、これ撮られてたんだ』って。椅子に上って、ちょっと高い位置で荷物を入れていたんですけど、下半身側が写る感じで何枚か撮られてて。知らない間に撮られてるんだなと驚きました」

 後を絶たない盗撮や無断撮影。多くの客室乗務員が、その行為に悩まされ続けています。

 盗撮被害に遭った客室乗務員:「(Q.分かるんですか、カメラを向けられていることに?)何となく分かります。盗撮は本当に気付かなったですけど、無断で撮影しているのは何となく分かります。すごい嫌な思いをしてなければ見てないふりをします。SNSとかに上げられたら嫌だなと」

■「撮影罪」13日施行 盗撮撲滅へ

 盗撮を許さない社会に向け、13日に施行されたのが撮影罪です。撮影罪は正当な理由なく胸や下半身、下着などを盗撮する行為に対し、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金を科すものです。盗撮した画像や動画を他人に渡すことやネットで拡散することのほか、撮影に失敗した場合も処罰の対象となります。

 さらに、捜査段階で押収された盗撮画像や動画についても、たとえ不起訴になっても廃棄や消去できるようになり、ある検察幹部は「画期的だ」と話しています。その撮影罪は航空業界の強い要望で創設されました。

■客室乗務員6割が“泣き寝入り”

 航空会社の労働組合で作る航空連合によりますと、約7割の客室乗務員が「盗撮された」、もしくは「盗撮された可能性がある」と回答。問題は、その盗撮への対処が難しいことでした。

 航空連合・内藤晃会長:「盗撮されたことがあると確定している人のなかでも約6割の客室乗務員が適切に対応できなかったということで、つまり泣き寝入りをしていると。まさに法の抜け穴だなと」

 これまで客室乗務員への盗撮は都道府県で罰則が異なる迷惑防止条例違反などで摘発してきましたが、刑罰が軽いうえ、どの都道府県の上空で盗撮が行われたのか特定する必要がありました。航空機の場合は高速で移動するため犯行場所の特定が難しく、摘発しにくい状況が続いていました。しかし、撮影罪では盗撮した場所の特定が必要なくなり、日本の航空機内であれば国内外問わず処罰の対象となります。

 ANA取締役執行役員・西嶋直子客室センター長:「航空業界として大変ありがたいと受け止めています。もう素直に盗撮の抑止につながると嬉しい」

 盗撮の被害に悩まされているのは航空業界だけではありません。アスリートへの盗撮も問題になっています。

■“アスリートも対象に”求める声

 航空機内での盗撮などを取り締まる撮影罪。盗撮被害に遭った経験を持つ客室乗務員は、こう話します。

 盗撮被害に遭った客室乗務員:「撮影罪というものがしっかり皆に広まることによって、自分がそういう被害に遭った時に声を大きくして言える環境になっていけたら安心できるなというのはありますね」

 ただ、今回の法改正では同意なく撮影する無断撮影やアスリートなどへの盗撮は撮影罪の対象にはなっていないため、さらなる法改正の必要を求める声も上がっています。

 航空連合・内藤晃会長:「無断撮影についても一定程度の法整備が必要ではないかと思っています。これは客室乗務員に限らず、今回の法のなかでは対象になりませんでしたけれどもアスリートの撮影ですとか、世の中的には大きな課題になっていますので、国民的に議論を深めていく必要があると思っています」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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