“伝統”物議 「アヒル取り競争」は動物虐待? 愛護団体が刑事告発(2023年7月12日)
■「アヒル取り競争」は動物虐待?
コバルトブルーの美しい海。沖縄県南部糸満市です。この地で古くから続く伝統の“海の祭り”が今、物議をかもしています。
その祭りの映像。両手に何かを持って海から上がる男性。つかんでいるのはアヒルです。両手で首を握ったまま観衆に向け、高々と掲げています。
クックハウスokinawa 本田京子さん:「泳いでいるときから2羽持っていて。アヒルの顔を海に何度も沈めて息ができない状態になっているのを見てすごくかわいそうでした」
先月21日、港で行われた伝統の祭り「糸満ハーレー」での一幕です。今年は4年ぶりに開催。およそ2万人の観衆が訪れるなか、人々の目線の先には海に浮かぶ人影が。海に飛び込む人。祭りの一大イベントである「アヒル取り競争」です。海に放したおよそ20羽のアヒルを60人ほどが先を争って捕まえます。これが「動物虐待にあたる」として抗議の声が上がっています。
■“伝統”物議 愛護団体が刑事告発
NPO法人アニマルライツセンター 岡田千尋代表理事:「こういったことをやめてもらいたいと、多くの市民が声を上げてきた」
動物愛護団体が祭りの委員長などを刑事告発する事態に。すると12日午後、番組の取材に対し、主催者側が怒りの反論。
糸満ハーレー行事委員会 東恩納博委員長:「大変遺憾であり、糸満市民もがっかりしている」
動物虐待か伝統文化か。対立する両者の行く末は。
■虐待?伝統?アヒル取りで“対立”
沖縄糸満市の伝統の祭り「アヒル取り競争」。およそ580年前から始まったとされ、古来から「海の安全」や「豊漁」を願う神事として現代まで続いてきた伝統行事だといいます。
糸満ハーレー行事委員会 東恩納博委員長:「泳ぐ能力がアヒルより上回らないとアヒルを捕まえることができない。人間とアヒルの知恵比べも一つの見どころ」
ところが、刑事告発に踏み切った愛護団体は。
NPO法人アニマルライツセンター 岡田千尋代表理事:「法律、社会通念、教育上、今の時代には弊害を生む要因になってしまう」
アヒルを捕まえる行為について、行事委員会の委員長は。
糸満ハーレー行事委員会 東恩納博委員長::「アヒルを窒息死させるような行為、首を折るような行為はない。(捕まえた)アヒルを入れる柔らかいネットまで準備している、この中にアヒルを入れて持ち帰る」
ただ、糸満市役所には12日まで700件を超えるメールが届き、その9割が否定的な意見だといいます。沖縄県警によりますと、現時点で告発については受理していないとしています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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