安倍元総理銃撃1年 旧統一教会を巡る二つの火種(2023年7月8日)

安倍元総理銃撃1年 旧統一教会を巡る二つの火種(2023年7月8日)

安倍元総理銃撃1年 旧統一教会を巡る二つの火種(2023年7月8日)

1年前の7月8日、奈良市で選挙演説中だった安倍元総理が、凶弾に倒れました。

安倍昭恵さん
「主人は命をかけてこの国のために本当に働いて、今魂となって、その魂もまたこの国のためにこれからも皆さんとともに働き続けると思います」

東京の増上寺では法要が執り行われ、
岸田総理大臣や、森元総理や小泉元総理ら歴代総理、そして、与野党の国会議員など関係者らが参列しました

この後、場所を変え「安倍晋三元総理の志を継承する集い」が開かれました。

岸田総理
「きょう安倍総理のご遺影を前に、改めてその志を引き継ぎ、次の世代にしっかりとつなげていくことを皆さんと共に誓い合いたいと思います」
安倍昭恵さん
「怒りの感情を持つのではなく、どうか主人が亡くなったことで奮起をしていただき、この日本の国のために日本の力を合わせていただくことが、主人に対する供養だと思うし、本日は本当にありがとうございました」

一方、殺人などの罪で起訴された山上徹也被告ですが、弁護団は「公判を迎えるまでに相応の時間を要する」とし、初公判は来年以降になる見通しです。

▼旧統一教会をめぐる「2つの火種」

この事件でクローズアップされた、旧統一教会を巡り今新たに2つの火種が…。
ひとつは教団トップ韓鶴子総裁とみられる音声です。

韓鶴子総裁とみられる音声
「日本は特に第2次世界大戦の戦犯国だということ。原罪の国なのよ。ならば賠償すべきしょう。政治家たち岸田を、ここ(韓国)に呼びつけて、教育を受けさせなさい。分かったか」

これは韓鶴子総裁が先月28日、日本人を含む幹部1200人を前に演説を行ったときのものとみられます。

ジャーナリスト鈴木エイト氏
「韓鶴子総裁のいろいろな日本の岸田首相に対する暴言的なものであるとか、日本からの献金収奪を正当化するような発言もあったので」

教団側は、公式サイトで今回の発言について『世界を助けなければならないという主旨であり、報道は曲解、すり替えだ』と反論しています。

そしてもう一つの火種が…。サタデーステーションが向かったのは東京都多摩市です。

取材ディレクター
「こちらが旧統一教会が購入した土地です。大きなトラックが今入っていくところです。解体作業が進められているようです。伐採された木でしょうかトラックに詰め込まれて行きます」

旧統一教会は、去年4月に、およそ6300平方メートルもの広大な土地を購入。今週から既存の建物の解体工事が始まりました。

教団によると、今ある建物を解体した後、新たに400人収容可能な研修施設を建てる計画だということです。

この土地は、どのような場所なのでしょうか。地元住民に案内してもらいました。
すぐそばに、高校と大学があります。

地元住民
「あれが大学側が学生にカルト宗教による勧誘に注意という張り紙ですね。大学も相当危機感を持っていらっしゃる。その気持ちっていうのはしっかりわかります」

大学側は『教育環境に好ましくない影響を与えることに強い危惧を抱いています』とコメントしています。

車で、数分走れば、団地へとたどり着きます。
幹線道路に面しており、まさに住民の生活空間に教団が割り込んできたかのようです。

地元住民
「多摩ニュータウン開発されて以来、良好な住宅地としてつくられています。できたらこのままいい環境で、と思います」

住民の間にも動揺が広がっています。

解体現場近くに住む住民
「学校の近くでしょ。若者が取り込まれてしまうのではないかという心配」
「家めっちゃ近いですよ、永山高校も近いですし、不安か不安じゃないかでいうと不安です」
「(Q.建設に反対?)反対、大反対です、絶対反対です」

長年教団を取材し、現地も視察した鈴木エイト氏は…。
「かなり大きいな、広いなっていうのが第一印象でこの広さは国内で最大規模っていうことになります。
当然、あの後ろのトレッキングコースであるとか、ああいうところの(研修の)格好の舞台となるんで
敷地内だけで、完結する話ではないと思うんですよね」

先月、東京都は国に緊急要望を提出。

小池都知事先月9日
「なによりも国が旧統一教会の運営実態を明らかにして適切な対応を行うことが重要であるがゆえに、今回国に緊急要望を行ったところでございます」

多摩市長も強く反発。自ら教団に申し入れを行っています。

阿部裕行多摩市長
「解散請求その他の手続きがされた場合にはですね、途中で工事がストップするっていうことも懸念されますので」

多摩市は、工事の差し止めなどの法的措置も検討しましたが、法律や条例では、教団の動きは止められないといいます。

阿部裕行多摩市長
「(Q土地自体をですね、自治体もしくは国にお願いして買い取るとか、そういった根本的な方法というのは現実的に考えられるのでしょうか?
 今回、旧統一教会さんが取得された土地は、十数億円とも報じられていますけれども、市が取得するということになった場合には、
 教団側に、利益が生じる可能性もあります。一方で、市民の方の中には、税を投入することへの、違和感を感じる方もいると思いますので」

教団側は…

教団のコメント
「土地を更地にすることを粛々と進めても誰かに迷惑がかかるものではないので、とりあえず解体だけは進めます。近隣の教育機関を訪問しご説明をさせて頂きました。今後は住民様への説明の場も設けていく予定です」

阿部裕行多摩市長
「多額のお金を投じて研修施設を作ること以外ですね、そのお金がきちんと、困った方に返還され、あるいはそうしたことに本来は当てられるべきではないかなと思います」

サタデーステーション 7月8日OA
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事