北海道「蒸気噴出」基準の「1590倍」高濃度ヒ素 詳細知らされず…町長が“激怒”(2023年7月7日)
北海道蘭越町で水蒸気が噴出している問題で、噴出現場近くの水たまりで飲料水の基準の1590倍に相当する高濃度の“ヒ素”が検出されました。町長が怒りの抗議です。
■北海道「蒸気噴出」 新たな事実
噴き出し続ける蒸気。「新たな事実」に地元は怒り、困惑しています。
北海道蘭越町・金秀行町長:「町民の安心が一番大事です。安全確認されないで放出はあってはならない」
■高濃度のヒ素 基準の「1590倍」
蘭越町で地熱発電の調査現場から大量の蒸気が噴出している問題。掘削を行っていた「三井石油開発」は、現場の敷地内で採取した水から高い濃度の「ヒ素」が検出されたと発表しました。採取されたのは5日。1リットルあたり15.9ミリグラムのヒ素が含まれていたといいます。国が定める飲料水の基準が0.01ミリグラム以下。つまり1590倍にあたります。
北海道大学工学研究院・佐藤努教授:「これは結構、高い濃度だと思います」
こう指摘するのは環境鉱物学が専門の北海道大学・佐藤教授。一方で…。
北海道大学工学研究院・佐藤努教授「数年とか飲み続けない限り、人体に影響はないと思う」
現場周辺の川の下流については水質検査の結果、ヒ素の基準値が下回っていたとして当初、設けていた取水制限を解除しましたが、もし「高濃度の水」が川に入ってしまうと農作物に影響は出るのでしょうか。
北海道大学工学研究院・佐藤努教授:「下流に行ったら他の川の水と混ざって(ヒ素は)薄くなる。基準値以上のところは取水制限されているので、それをきちんと守っていれば少なくとも農作物に影響は出ない」
■農家“風評被害”を懸念 町も抗議
そして7日、番組の取材に対して蘭越町の長が三井石油開発に抗議文を出したことを明らかにしました。
北海道蘭越町・金秀行町長:「協議もされない、非常に問題だと感じた」
■詳細知らされず 町長が“激怒”
町長は三井石油開発のある行動が許せなかったといいます。北海道蘭越町の蒸気噴出問題。現場敷地内で5日に採取した水から高濃度のヒ素が検出されましたが…。
北海道蘭越町・金秀行町長:「当初、会社(三井石油開発)の報告では、これほど高濃度のヒ素が検出されていないと」
三井石油開発は高濃度の水が川に入らないように現場の南西方面に放出しているといいますが、町長はこれを止めるよう抗議したといいます。
北海道蘭越町・金秀行町長:「安全対策が取れてから(高濃度水の放出を)行うのは構わないが(安全対策が)取れていない状況で放出することはあってはならない。放出をストップして安全対策を取ってほしいと要請した。安全対策を第一に考えてもらいたい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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