「両親は“収容所”へ行った」新疆ウイグル自治区でJNNのカメラが捉えた“抑圧”の実態 封鎖されたモスクも…口を閉ざす人々【news23】|TBS NEWS DIG
14年前の7月5日、中国の新疆ウイグル自治区では、ウイグル族と漢族が衝突する「ウルムチ騒乱」が起きました。中国政府は以来、「テロ対策」の名のもと、ウイグル族など少数民族に対する抑圧政策をとってきているとされています。現地では何が起きているのでしょうか? JNNのカメラが入りました。
■“抑圧”続く・・・カメラが捉えたウイグルの今
中国西部、新疆(しんきょう)ウイグル自治区ウルムチ市。装甲車や武装警察の姿が目につきます。騒乱から14年たった今も、厳しい警戒態勢が敷かれている様子がうかがえます。
今、漢族とウイグル族の間に緊張はないのか聞いてみると…
漢族の女性
「(騒乱は)一部の教育レベルの低い人が惑わされただけであって、大部分の人はいい人です。ウルムチは今とても治安がいい。安全です」
しかし、ウイグル族の人たちの口は重いままです。
ーー10年前に比べ、警察官が増えましたよね?
ウイグル族の男性
「(うなずく)それ以外の話をしましょう」
■ウイグルで何が?「両親は“収容所”へ行った」
新疆ウイグル自治区をめぐっては、2022年、国連人権高等弁務官事務所が「深刻な人権侵害が起きている」とする報告書を発表。
「ウイグル族に対する恣意的な拘留が行われており、人道に対する犯罪に当たる可能性がある」と指摘しました。
特に問題とされたのが、中国政府が「職業技能教育訓練センター」と呼ぶ“再教育施設”の存在です。
施設の内部と見られる写真に対し、国連の報告書は、拷問や虐待が行われた可能性があると指摘しています。
私たちは、施設を訪ねてみることにしました。
記者「検問所がありますね」
行く手に現れたのは検問所。通過する車を一台一台、チェックしています。たどり着いた先にあったのは厳重な柵で囲われた施設。窓には鉄格子。監視塔らしき建物もあります。
近づこうとすると住民だと名乗る2人組の男性が現れ、撮影を中止するよう求めました。
この学校も以前は再教育施設だったと近所の住民は話します。
ここに2年間、両親が入っていたと証言する男性がいました。
ウイグル族の男性「両親が行っていました」
ーーなぜ施設に?
ウイグル族の男性
「携帯の内容に問題があったから。検索で(政治に関わる)問題があるものを見たから」
ーー施設で何をしていたのですか?
ウイグル族の男性
「中国語(の勉強)」
施設について中国政府は2019年3月に説明をしています。
中国外務省 耿 爽(こう・そう)報道官(当時)
「職業技能教育訓練センターはテロ対策のための予防的措置だ。センターはアメリカや西側が誇張している再教育収容所ではない」
貧困対策やテロ対策として職業訓練や中国語教育を行ったと主張。2019年にはすべて閉鎖したとしています。
■封鎖されたモスクも・・・「もう聞かないで」口閉ざすウイグルの人々
表面上は穏やかに見えるウイグルの人々の生活。しかし、イスラム教徒であるウイグル族にとって大切なモスクを訪ねてみると扉は開きません。
漢族の男性
「何年か前に取り壊されましたよ。(なぜ?)説明しにくいですね。政策上のこともありますし。大きいモスクはいくつか残されましたが、小さいのはほとんど壊されました」
ーーここはモスクですか?
ウイグル族の女性(うなずく)
ーー見られますか?
ウイグル族の女性「開けさせないんです。上の人がそうしたくないから」
ーーいつからですか?
ウイグル族の女性「もう聞かないでください。ダメです」
女性は私たちに向けそっと指を唇にあてました。何も語れない。その姿は今のウイグルの人たちが置かれた状況を象徴しているように見えました。
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