“まん延防止措置”17道府県で延長 分科会の委員2人は反対も・・・(2022年2月18日)
政府は18日夜、『まん延防止等重点措置』について、20日に期限を迎える21道府県のうち、沖縄など5つの県は解除し、残りの地域は来月6日まで延長することを正式決定しました。
16人の委員が参加した政府の分科会では、2人が延長に反対したといいます。そもそも、まん延防止措置の発令は、肺炎などの発生頻度がインフルエンザより、相当程度高いことが要件となっています。デルタ株では、確かに頻度が高かったのですが「オミクロン株は正確なデータがない」として、延長に反対したそうです。その反対意見に対して、政府分科会の尾身会長は、こう述べました。
政府分科会・尾身会長:「インフルエンザは、経口薬タミフルが必要な場合は、どこでも手に入る。それが社会の安定感。今のところインフルエンザと一緒に扱うわけにはいかないという議論も一方である」
全国の死者数は、4日続けて200人を超え、これまでとは比較にならない勢いで増え続けています。重症者数も第6波で最多の1482人。しかし、第5波のピークと比べたら、6割ほどです。
第6波の重症者には、ある特徴があるようです。
自治医科大学附属さいたま医療センター・讃井將満医師:「第5波みたいに、“コロナの肺炎”でというより、“持病の悪化”という方が、相当含まれている。もともと透析の患者、心臓が悪い、肺が悪い患者がコロナをきっかけに持病が悪くなる。これが1つの特徴」
この病院では、現在16人が入院していますが、その半数ほどは、コロナに感染したことがきっかけで持病が悪化した患者です。
自治医科大学附属さいたま医療センター・讃井將満医師:「もともと心臓が悪いとなると、心臓の頑張りに限界があるので、心臓が頑張れず、肺に水がたまってくる。結果として、酸素が体に取り組めなくなる。心不全の悪化」
脳出血で運ばれてきた重症者を検査してみると、コロナに感染していたというケースも多いといいます。患者の症状が多様になり、さまざまな診療科の医師が連携して治療を進めなければならない状況が生まれていました。
大阪府池田市の高齢者施設では、入所者60人の半数にあたる30人が感染。そのうち6人は中等症IIですが、入院先が見つからず、施設内で対応しています。亡くなる人もいます。
オレンジ池田・平野泰典施設長:「本来であれば、入院加療が必要だが、大阪府は入院病床が空いていない、入院調整ができていない。治療する場所がないので、施設で治療療養、対応せざるを得ない。平時であれば、入院して、また元気な姿で帰ってきて、また日常生活を送る。私たちの力ではどうしようもないと痛感」
さらに、いま、大きな負担となっているのが医療用マスクやガウンの確保です。
オレンジ池田・平野泰典施設長:「消費に対して補充が追いつかない。『もう在庫がありません』と、こちらに入って来ない。また新しい業者を探すしかない。この1~2週間、繰り返している。手配しても追いつかない」
第6波の出口に向け、岸田総理は国会で、こう述べました。
岸田総理:「新規感染者の絶対数は、まだ多く報告をされているし、遅れて重症者数が増加するリスクもある。警戒を緩める状況にはないと認識している。こうした現状認識のもとに慎重になるべきところでは、引き続き、慎重さを堅持しながら、この第6波の出口に向かって、ワクチンの3回目接種の促進、水際対策の骨格の段階的な緩和、こうしたものに取り組んでいく」
総理周辺によりますと、経済の早期回復に向け、感染状況次第では、来週にも一部の地域で、まん延防止措置を前倒しで解除することも検討されているそうです。
尾身会長に、まん延防止措置の全面解除へのカギについて聞きました。
政府分科会・尾身会長:「2月末までに、どれだけワクチン接種が進むかが、かなり大きなファクターになる。いま日本が一番大事なのは、高齢者の重症化、高齢者の死亡を低く抑えるのが、最大のプライオリティー」
出口戦略については、こう述べました。
政府分科会・尾身会長:「こういうふうになると明確に言えないので、いくつか、あり得るシナリオをいまから考えて、それぞれ異なるシナリオにどう対応するか。社会も経済を回しながら、感染対策、重症化対策を中長期的にやっていくのか、大きなピクチャーを考える時期に来ている」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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