コンクリ片落下…老朽化トラブル相次ぐ一方で“豪華ごみ処理場計画”…久喜市長直撃【もっと知りたい!】(2023年7月6日)
埼玉県久喜市で学校が雨漏りし、公共施設のコンクリート片が落下するなど、老朽化による被害が相次いでいます。市の予算不足で、修繕が行われていない可能性もあります。
■130キロの塊落下…市民「怖い」
今年3月、埼玉県久喜市にあるJR久喜駅のすぐ目の前にある道に突如、130キロの塊が落ちてきました。これにより、歩道橋を支えていた部分が崩落してしまっています。
目撃した人:「深夜2~3時くらいに…『ドンッ』って音がしたので、最初は窓をたたかれたのかと思ったんですが。外を見に行ったら、コンクリートが落ちているという状況。(落下物は)本当に大きかったですね」
幸いけが人は出ませんでしたが、現在もさびなどが目立ち、他に補強された様子は見当たりません。
久喜市民:「危ないですね…」「他の所も落ちたりしたら怖いな…」
■校舎で雨漏り…学校生活に支障も
5日、久喜市内の久喜東中学校を訪ねると、校舎の裏手には30キロを超える落下した外壁の一部が残っていました。
久喜東中学校・柴崎憲一校長:「ここから剥がれている部分が見えますけど、角の部分が剥がれているのが…」
去年10月末に落下した物が、8カ月経った今も撤去されていません。
柴崎校長:「一日も早く、とにかく業者さんが来て、修繕してくれるのを待つしかないですね」
他の中学校では、生徒の学校生活に支障が出ていました。
久喜中学校・木村信之校長:「ここにも、やっぱり天井がたわんできて。突いたら、ビシャーと(水が)落ちてきた。天井(一帯に)ずっと水がたまっているということ」
3年ほど前から深刻になった雨漏りは、穴が開いたまま手付かずの状態で放置されています。壁の塗装は至る所が剥がれ、老朽化は一目瞭然です。
雨漏りで漏電する可能性があるため、照明器具を外し、配線がむき出しになっている教室もありました。
こうしたなか、学校の深刻な老朽化について、市の教育委員会を取材しました。
久喜市教育委員会・担当者:「修繕とか工事等で順次対応してきましたが、こういった(落下などの)事故等を踏まえますと、結果として十分ではなかったのかなと考えています」
久喜市役所でも、排水管の劣化などで今年3月から一部のトイレが使用できなくなりました。修理は進まず、仮設トイレが設置されています。
■新ごみ処理場に屋上庭園・ランニングコース
2010年、久喜市は1市3町が合併し、管轄する施設のエリアは大きく広がりました。インフラの補修が追い付いていない現状について、市議は「予算が適正に使われていない」と指摘します。
久喜市議会議員(無所属)・猪股和雄市議:「維持補修費というのは現状を維持するものだから、絶対に削れないはずなんです。“市民受け”のいい色んな新規事業、あるいは大きな新しい施設を造りたい。そのため、予算をそちらに回すため、維持管理費を削っていると判断せざるを得ない」
久喜市は2026年完成を目指して、新たなごみ処理場の建設を計画しています。市議が問題にするのは、その計画の中身です。
この処理場はデザイン性がある見た目で、「屋上庭園」や「ランニングコース」まで付いています。市議らは「通常の処理場よりも建設費がおよそ25億円も高い」として、問題視しています。
■老朽化対策予算は? 市長「申し訳ない」
新しい設備に力を入れる一方、老朽化対策の予算はどうなっているのでしょうか。久喜市の梅田修一市長を直撃しました。
久喜市(無所属)・梅田市長:「(Q.老朽化の現状については?)市民の皆様には、本当にご迷惑をおかけし、大変申し訳ないと考えています」「(Q.ごみ処理施設の建設に予算をかけている?)処理場に関しては市民の皆様に必要不可欠な施設でありますし、適切に今回の(落下などの)事故の教訓を踏まえて、予算の執行もそれぞれの分野としてしっかりと着実にやっていきたい」
市長はこの5年で修繕予算を徐々に増やしていて、今後も予算を増額する方針だと説明しています。
(「グッド!モーニング」2023年7月6日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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