ワグネルの乱に関与?ロシア軍幹部“拘束”の影響(2023年7月1日)
先週、ロシア国内でプリゴジン氏率いる民間軍事会社ワグネルが起こした反乱。その反乱には、本来止める側のロシア軍の幹部が関わっている可能性が浮上しています。
板倉)
その幹部はショイグ国防相、ゲラシモフ参謀総長に次ぐ立場のスロビキン副司令官で、ウクライナ侵攻が始まった当初、戦況の立て直しを任されていました。そのスロビキン氏、実はワグネルの反乱を事前に知っていたのではないかということで、イギリスのフィナンシャルタイムズは、「スロビキン氏と数日間連絡が取れておらず、当局に拘束されている」と伝えました。またアメリカのCNNは、「スロビキン氏はワグネルの“秘密のVIPメンバー”だった」と報じていて、VIPメンバーのリストには他にもロシア軍の高官ら30人の名前もあったとされています。
高島)
柳澤さん、やはりロシア軍の中にも現体制に不満を持っている者がいたということでしょうか?
柳澤氏)
十分考えられると思いますね。ワグネルが反乱を起こした時に、ロストフという町にあったロシア軍の司令部を占拠しているんですね。その時、ほとんどロシア軍の抵抗が無かったんです。さらにロストフからモスクワを目指して進軍した時に、あっという間にここ(モスクワまで200km手前の地点)まで来てるんですよね。この間もロシア軍の抵抗はほとんどなかった。これはやっぱりロシア軍の中に今回のワグネルの反乱に同調しているグループがいたということは容易に想像ができますよね。
高島)
秘密のVIPメンバーに高官ら30人の名前もあったというふうにされてますけれども、プーチンは事前に把握してたんですか?
柳澤)
ある程度把握していた可能性があると思います。ロシア軍側に漏れていたということで、それで今回の反乱を早めたという話もありますので。
高島)
泳がせていたとも考えられますよね。そうなりますと、プーチン大統領がワグネルとつながっていた人物を厳しく処分するのかしないのか、そのあたり気になりますよね。
板倉)
その点について、防衛省防衛研究所の長谷川雄之さんにうかがいました。「仮にスロビキン氏が事前に計画を知っていたならば、副司令官の地位を剥奪するくらいの処分になるのではないか。ただし、より厳しい粛清などということになれば、軍内部でプーチン政権への不満が高まり、反乱につながる可能性もある」と指摘しています。柳澤さん、このあたりはどう見ていますか?
柳澤氏)
こういったロシア軍の中の混乱というのは、ウクライナ側から見ると反転攻勢を強めるのにいい機会なんですよね。ですからこの後ウクライナ側が攻勢を強める可能性は非常にあると思うんですけれども、そういうことを見越した上でロシア側はザポリージャ原発での動き、テロを起こすんではないかという動きでウクライナ側をけん制しようとしてるのかなというふうに思いますね。
高島)
前回もどちらがやったか分かりませんが、ダムの破壊というのもありましたらね。
柳澤氏)
あれも反転攻勢が強まっていたタイミングですからね。
高島)
7月5日にテロ攻撃が想定されているとも言われていますけど、今後の動き、注目されます。
サタデーステーション 7月1日OA
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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