【北極ノート】深刻…北極圏のグリーンランド 温暖化の“最前線”へ 現地から生中継(2023年6月30日)
3月まで南極観測隊に同行取材してきたテレビ朝日。荒波を超え、到達した極地では、気温マイナス10度を下回るなか、南極観測隊として「氷がどのくらい解けているのか」という調査に同行しました。
この度、新たなプロジェクトが始動します。
テレビ朝日が新たに向かう先、それは、南極とは真逆の極地“北極”です。
温暖化の影響により、世界各地で巻き起こる異常気象。その影響を受け、北極は、世界で最も気温が上昇しているといわれています。
北極における気候の変化が日本にも影響を及ぼしていると語るのは、毎年、北極で調査を行う北海道大学の杉山教授。
北海道大学・杉山慎教授:「日本で、最近、時々、ありますよね、豪雪が。極端な現象が北極の環境変動や気候変動に影響を受けていることが、だんだん、わかってきました」
杉山教授によりますと、これまで北極海を覆っていた氷が温暖化によって縮小することで、北極を取り巻く大気の気圧配置が変わり、日本付近を通過する偏西風が大きく蛇行するようになったといいます。その影響で、冬には、日本に強烈な寒波が押し寄せ、豪雪をもたらします。
いま、北極で何が起きているのかを取材するため、現地に向かうのは、テレビ朝日・報道局の2人。これまで、東京地検特捜部担当記者などを経た英語が堪能な入社8年目、松本拓也と、安倍元総理銃撃現場取材など、入社3年目の若手カメラマン、屋比久就平。彼らが目指すのは、夏になると太陽が沈まない北の地“北極圏”に位置するグリーンランド。
グリーンランドの氷は、どんどん解けだしています。その量は深刻で、過去のある6年間で、海水面を上昇させた原因の約25%がグリーンランドだといわれています。しかも、今後、すべての氷が解けると、海水面は地球全体で7メートルも上昇することになります。
北極出発の約1カ月前。過酷な極地での取材のため、機材や食料を準備します。
そして、出発の日です。
松本拓也記者:「いよいよ、きょう北極に向けて出発します。この大量の荷物、100キロくらいあるのですが、この荷物と一緒に飛行機を乗り継ぎながらグリーンランドを目指したいと思います。頑張ってきます!」
日本を出発して丸2日。29日、グリーンランドに到着しました。
◆松本拓也記者に聞きます。
(Q.現在、グリーンランドということですが、状況はどうですか)
私は、今、グリーンランドの西側・イルリサットという場所にいます。日本との時差はマイナス11時間で、現在30日午前11時40分過ぎです。この場所は、白夜の地域で、朝も夜も明るさが変わりません。正直、きのうの夜は、かなり寝るのに苦労しました。気温は3度ほどで、蒸し暑い東京から来た身としては、かなり寒いです。
後ろに見えますのが、世界遺産『アイスフィヨルド』。大きな氷山だと高さが30メートルを超えるそうです。奥がグリーンランドの内陸部で、そこから氷河が流れ出して、氷山と変わって、大西洋へと流れ出ていく場所となります。
この場所というのは、北半球で最も多くの氷山が生まれる場所として知られています。ただ、このきれいな場所も地球温暖化の影響を受けていて、2000年以降急激、氷河が急速に解けだしているということです。
(Q.温暖化の原因の調査など取材を行うということですが、どのような場所に行く予定ですか)
天候が良ければ、あす、ここから北西1000キロ離れたカナックという村にプロペラ機で向かう予定です。ただ、週に2便しかないのですが、この時期は霧が出やすいということで、欠航しやすい。あす飛ばないと、いつ飛べるかわからないのですが、今の天候は悪くて、無事に飛べるのかどうか、かなり不安です。
カナックは人口600人ほどの小さな村で、長年にわたって、日本人の研究者が研究を続けている場所でもあります。研究はもちろん、村の人の生活も含め、これから“北極の今”を伝えていきたいと思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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